竜超の肉中華巡礼 聖俗同居の門前仲町で「洋食/中華」の二枚看板町中華へ!

617日(金)東京メトロ東西線・都営大江戸線「門前仲町駅」地上出口前1100集合
参加者/下関マグロ、増山かおり、半澤則吉、小倉亜希、竜超




竜超です。今回の探検地帯はここ!


・・・え、よく見えない? じゃ、これでどーだ!?





そう、「絆と人情の街」でお馴染の門前仲町である。



この日は本式な夏日で、強い日差しが容赦なく我が身を焦がしてくる。それでもボクは集合時間より1時間前に来て、周囲を散策。古本屋はブックオフしかなかったが、江戸情緒を意識した町づくりは見ていて楽しい。


今日の集合時間は参加者の都合で1100。それでもすでにかなり暑いよ。

以前に近辺で働いていて土地勘があるという半澤隊員が今回のナビ役。駅周辺をクルクル回る。
途中、「辰巳新道」という呑み屋横丁を通る。端的に言えば「コンパクトで整然とした新宿ゴールデン街」。
通っていると、ゴールデン街にもある「飲み屋街ならではの匂い」がする。ボクはこういう一角で幼少期を過ごしたので、この匂いを嗅ぐと意識がその当時に戻るのだ。




その後もあちこちをグルグル。じつはボク的にはもうすでに気になる店がある。ブックオフから集合場所へ向かう途中、「洋食/中華」という看板がチラッと見えた店だ。
行ってみると、屋号は「南光軒」ということが分かった。

この日のサービスランチは「ヒレカツ定食 880円」とある。
メディア露出も多い地元の有名店だということで、他のメンバーの反応は薄い。しかしボクは落ち着いた佇まい(椎名町の「銀楽」とも通ずる)に惹かれ、ここにした。いつもより1時間早いので、ウカウカしてたらランチタイムに突入して混んでしまうしね。
ちなみにメニューはこんな感じ。


南光軒に入ったのはボクのみ。店内は2人掛けや4人掛けのテーブル席がメイン。昼どきだったがさほど混んではおらず、ボク好みの静かな雰囲気。客は全てホワイトカラーで、初老の人もいた。ボクはサービスランチのヒレカツ定食をオーダー。見れば全員が洋食メニューで、中華を頼んでいた人間は皆無であった。

ヒレカツは非常に上品な仕上がり。肉は柔らかく、衣はサクサク。油もしっかり切られているので、後で胸焼けする心配はなさそうだ。だから「初老のホワイトカラー」も安心して食えるのだね。ソースがミルクピッチャー入りで添えられているのが独特だ。


「当店で使用しているのは全て国産米です」と壁に書かれているだけあって、ごはんもおいしい。ただ、ボクの胃袋はブルーカラー仕様なんで、量的にはやや物足りず。



お勘定を済ませて外へ。遠くの店へ行った面々もいたので時間には余裕がある。そこで近隣を散歩。いかにも水路の町らしく、店のそばにはこんな素敵な公園も。真夏とか、こういうとこでボンヤリできたら楽しかろう。





公園は一般住宅に挟まれている。こんなのを借景にできる人たちは幸せだろうなぁ。



煙突が見えたので、行ってみた。






ああ、イイ感じの銭湯だなぁ。機会があれば入ってみたいもんだ。




途中、自販機でエネルギーチャージをしてから、



メインストリートである「永代通り」へ移動。歩道にはあちこちにこんなベンチがあった。高齢者に配慮してるのかしらん?




永代通りの水路側には呑み屋がいっぱい。その逆側には「江戸最大の八幡さま」「深川の八幡さま」として親しまれている(らしい)「富岡八幡宮」。そちら側へ渡ると、良さげな甘味中華(伊勢屋)やおせんべい屋さんとかあって、絵に描いたような「門前町」の風情なり。
俗(飲み屋密集地帯)と聖(神社)が道1本挟んで同居しているのが興味深い。


駅そばに戻ってブラブラしてたらマグロさんと出くわした。この辺りに詳しいという山出さんという方と一緒だ。
さっきの甘味中華で油流しを・・・と思ったが、すんでの差で増山さんから「駅前の喫茶店はどうか」という連絡が入る。できればうまそうなメニューが山ほどある甘味の方が良かったが、残念ながら4人席ひとつしか相手なかったので断念。
マグロさんが「また喫茶店決め勝負に負けましたねえ、竜さん」と嬉しそうな顔でヒッヒッヒとと笑った。チクショウ! 次回は中華店選びと並行してサテン選びもやってやる!

駅前まで戻って「カフェ東亜サプライ」という喫茶店へ。いかにもサラリーマン御用達店といった風情の店で、喫煙可能でランチのフードメニューが充実している。
パフェ類はないのでパフェに一番近い「コーヒーゼリー」(550円)をオーダー。




今日は忙しい人が多く、半澤隊員は油流し前に帰ったし、残りのメンバーもマグロ、小倉、竜以外はあわただしく出て行った。
正確に言えば、マグロ隊員も忙しいのだが、なんとなく帰りそびれてボクら「売れてない組」に付き合ったのだ。ダラダラと喋った後、地下鉄駅で解散。

ABOUT ME
竜超
1964年、静岡県生まれ。『薔薇族』二代目編集長。1994年よりゲイマガジン各誌に小説を発表。2003年より『月刊Badi』(テラ出版)にてコラムを連載。著書に『オトコに恋するオトコたち』(立東舎)『消える「新宿二丁目」――異端文化の花園の命脈を断つのは誰だ?』、『虹色の貧困――L・G・B・Tサバイバル! レインボーカラーでは塗りつぶせない「飢え」と「渇き」』(共に彩流社)がある。