訪問日:2016年4月1日
たくさんのお店を外観チェックする中、私が入ると決めたのは「長栄軒」。
だってホラ、この佇まい! ザ・町中華!
他のお店がチャイナ風だったり新しい看板を外に出す中、ひときわ昭和感が際立ってました。
いや、昭和感、じゃなくて、昭和。作ってない、そのものズバリがイイんだよなぁ〜。惹かれます。
中も見てみたいし、味も気になるし、やってる人も気になるところ。
わあ、コレ、思い描いてた町の中華屋さんだぁ。胸に沁み入るよう。
白い中華帽を被ったおじいさんが一人、ゆっくりとした動作で「いらっしゃい。」
もう多くを訊くまい、語るまい。
見て下さい、この店内。
カッコイイ、カッコイイよ。ローマは1日にしてならず、千里の道も一歩から、だよ。
そこにはさぞかし色んな歴史やドラマがあったことが偲ばれます。
そのまま映画のロケに使いたいくらい。
壁のメニューに町中華三種の神器(オムライス・カツ丼・カレーライス)があったので、おおお!と感動し、一度は「オムライス!」と頼んだのだけど、思い直して「ココのおすすめは何ですか?」と訊いてみました。やっぱり店主推しをいただきたいな、と。
そしたら少し耳の遠いおじいさんは、最初ぽかんとして、でもちょっと考えて
「……う、う〜ん、オススメってほどでもないけどね、アジフライかな。」
とやや照れたような顔で答えてくれました。
メニューとは別に貼ってあった「釣 アジフライ」の「釣」部分に惹かれて、アジフライにすることにしました。
訊くと、おじいさんが趣味で釣ってきたアジなのだそうです。やっぱり! イイネ!
おじいさんは、何度も注文を聞き返して、1つ1つ作ってました。
定食かと思ったら単品だったのだけど、ゴハンを追加したらまた時間がかかりそう…。
なのでもう単品でいい。それでいい。
ハフハフ、おいしー♪
餃子出てきました。焼き過ぎ? 破れてる?
ハハハ。おじいさんらしいや。
私がおじいさんの何を知ってようというのか。
だけど、そう思わせてしまうナニカがあるお店。
マグロ隊員は広東麺を。
田中ひろみ隊員は、私と同じくアジフライを。
これだけ出てくるのに、50分くらいはかかったように思います。
他にも後からお客さんが3人ほど入ってきて、注文してからじーーーっと待ってました。
何度も何度も繰り返しおじいさんと同じ注文のやり取りをしながら。
それでも気長に待つお客さんがいるこのお店、きっと愛されてる。
何も訊かなくても、お店の佇まいが無言で語っている。
年季の入ったお店が賑わっているのは、とても良い光景でした。