荻窪と西荻窪の間くらいの線路沿い近くにある東蓬飯店さんへ行こうと思った。
以前、北尾トロが何度か行ったことがあると教えてくれた店。
教えてくれたのは3月11日水曜日でシャッターが閉まっていた。
きょうは火曜日だからやっているかなと、荻窪駅からアプローチ。
が、再びシャッターが閉まっていた。
やな予感。お店やめちゃったのかなぁ。
まあ、それじゃ、大宮飯店さんでも行って、チャンポンを食べよう。
以前、増山隊員の聞き込みにより、大宮飯店のご主人、
チャンポンを見たこともないのに、
自分の想像だけで、作ったという話を聞き、
ぜひ食べたいと思っていたのだ。
平和通りから東銀座通りへ。通りの名前が神明通りになった、郵便局の先に大宮飯店がある。
2時半到着。おお、やってた。
小走りでやってきたので、少々汗をかいているので魅惑的だ。
が、ここは初志貫徹で「チャンポンください」とお願いする。
メニュー名は「ちゃんぽん」とひらがな表記。750円だ。
増山隊員から話を聞いて、食べたくなったのでと告げると、
ふん、ふんと頷くご主人。
カチャカチャと卵をといている音がしてるぞ。
本場の長崎チャンポンではありえない。
えっと、こちらでのメニュー名は「チャンポン」だけど、
いわゆる長崎ちゃんぽんではない。
スープを飲んでも明らかに違う。
スープというよりもあんかけなのね、これ。
キャベツ、もやし、人参、筍、なると、豚肉など盛りだくさんのあんかけ。
溶き卵もはいっている。
醤油と塩の味がする。塩分高めだ。
椅子に座ったご主人に「一般的なチャンポンとは違いますね」と言い、
「でもおいしい。ここでしか食べられない味ですね」と言うと、
ご主人はうれしそうに笑った。
「ラーメンやタンメンばかりじゃなくて新しいメニューを作ろうと思って考えたんだよ」
とおっしゃる。それで、わかった、なるほど。
タンメンの野菜部分をあんかけにして、卵で閉じた醤油+塩味か、そんなオリジナルのメニューを作り、
まあ、いろいろ入っているから「チャンポン」という名前をつけたのだろう。
「出前やっているころは、ある家はもうチャンポンしか頼まないってのがあったんだから」
とご主人。ってことは、家族全員がチャンポン?
「そうそう、4つも5つもチャンポン」とうれしそうに話す。
ひょっとしたら、その家の人は、これがチャンポンだと思っていたのかも。
でも、そういうことはよくある。
先日行った、新御徒町の幸楽さんのメニューには
「ナシゴレン」があった。ネットでの情報を見ると、
名前はナシゴレンだけれど一般的なそれとは違うようだ。
また、早稲田にエルムというロメスパの店があるが、
ここで出すカルボナーラも、いわゆるカルボナーラとは違う。
スパゲティと卵とベーコンが炒められているだけだ。
こういう、一般的なメニュー名と少しずれている料理って、探せばもっとありそうだ。
企画になりそうな気もする。
「同じ名前だけど、ズレてるメニュー」
「ズレているけれどおいしいメニュー」
「ウチではこれがチャンポンです」
などいろいろタイトルを考えてみた・
それにしても、これは冬の食べ物だね。体が温まる。
つーか、もう汗だく。
おいしいけど、暑い。
水をがぶ飲みして、「また、きますね」と店をあとにした。
まだ、大宮飯店で食べたいメニューはたくさんある。