酢豚探偵のMCT備忘録 千代田区有楽町の巻

1月19日(火) 十条探検からの流れ 19時頃来店
探検者◎北尾トロ、下関マグロ、あきやまみみこ、半澤則吉、竜超

竜超です。皆さん、「十条編」の続きだよ。
十条駅から目と鼻の先にある東十条駅に向かった北尾トロ、下関マグロ、あきやまみみこ、竜超は京浜東北線に乗り込み、有楽町を目指した。17:00より放送されるネットラジオ『オシキリシンイチの脱力主義!』(ソラトニワ銀座)にトロ・マグロ両氏が出演するからである。

ボクは番組に直接の関係はないのだが、終了後、銀座に場所を移しての「町中華探検パート2」が行われるので、ついて行った次第。しかし、先方のご厚意でボクもちょろっと出演することとなり、『オトコに恋するオトコたち』(立東舎)の宣伝もさせていただいた。感謝である。

ソラトニワ銀座は「松屋銀座」の最上階にあり、フロアの大半は屋上スペースとなっている。本番まで間があったので屋上を散策すると「龍光不動尊」という小さなお不動さんがあった。いま通そうとしている出版企画があったので、それがぶじ通過するようお参りす。
「龍光」という名は「流行」にかけているのだそうだ。昼入った店が「三龍亭」で、夜が「龍光不動尊」。ボクにとっては縁起の良いこと限りなし。

本番を終え、仕事を片付けてやって来た半澤隊員、オシキリ氏、ディレクター氏を交え、総勢7名で銀座へ出る。マグロ隊員のオススメ店めざして進むが、店名がうろ覚えだったため見つからず、予定を変更。JR有楽町駅の改札真ん前にある「中園亭」に入店することに。

ここは木造2階建で映画のセットみたいな作りで不思議な趣がある。人数が多いので2階の大テーブル席に通される。ボクはこの店の2階に2回来たことがあるよ。なんか早口言葉みたいな感じだが。

駅まで0分という好立地のせいか、店はサラリーマン客でほぼ満員である。瓶ビールを数本頼み、まずは乾杯。「さぁみんな、各自食べたいものを」と言われたので、かなり食い気味に「酢豚!」とボク。まさかの昼夜連続酢豚だが、酢豚探偵を名乗る者ならば当然でしょ。

各人が色んなものをオーダーしていくと、大きなテーブルもどんどん埋まっていく。酢豚も来た。1520円と安くはないが、本場の人が作る本場料理なので、ここの大皿中華は大体この価格帯だ。味はあっさりしてて、日本人の作るものとはひと味違う。そういやメニューにも「糖醋肉」という中国名が書かれていたような。

色んな面白そうな話が飛び出しているのだが、特殊な部屋の形状のためか、座った席が熱だまりになって暑くてたまらない。上着の前をはだけてあおいでみても効き目がなく、頭がボーッとしてきた。話が全然脳に入って行かない。面白い話を聞くのが何より好きなボクとしては悔しくって仕方ない。ならば上着を脱いだら? と思われるだろうが、ボーッとしているのでそこまで頭が回らないのよ。

そうこうしているうちに9時を回ったので宴はお開きに。トロ隊長らがその日の出演ギャラをカンパしてくれたので、さんざっぱら飲み食いしたのにワリカンの負担分はかなり安めに。ゴチになります!

帰りの電車の中、「……あれ、あの店なんて名前だっけ?」となり、しばし記憶の糸をたぐる。結果、「あ、思い出した。『中国園』だ」で落ち着いたのだが、帰宅後に調べたら「中園亭」と判明。ボクの「固有名詞は基本おぼえない脳」は今年も健在なり。

追伸。「龍光不動尊」にかけた願は翌日かないました。キチンと形になったらお礼参りに行かなくてはね。

ABOUT ME
竜超
1964年、静岡県生まれ。『薔薇族』二代目編集長。1994年よりゲイマガジン各誌に小説を発表。2003年より『月刊Badi』(テラ出版)にてコラムを連載。著書に『オトコに恋するオトコたち』(立東舎)『消える「新宿二丁目」――異端文化の花園の命脈を断つのは誰だ?』、『虹色の貧困――L・G・B・Tサバイバル! レインボーカラーでは塗りつぶせない「飢え」と「渇き」』(共に彩流社)がある。