町中華を研究する上で、御徒町の民華は避けて通れない店ではないかと思う。
北尾トロから町中華のイメージを聞いたときに、
なんとなくだけれど、 こちらの店を思い浮かべた。
昭和の頃からある店→民華さんは昭和22年創業。戦前は製麺屋さんだったそうだ。
カツ丼がメニューにある→ここのカツ丼はおいしいと有名だ
とはいえ、店に入ったことは一度もない。
散歩系のテレビ番組や雑誌で紹介されたのを見ていた程度だ。
そして、前は何度か通ったことがある。
ああ、ここが民華かと思ったものだ。
昭和通り沿いに店がある。
赤いのれん、白抜きで中華料理の文字。
メディアの掲載されたことをハデに宣伝している。
店の前面に張られている貼り紙は、
定期的に変わるようだ。
前に見たときはカレーライスのおいしさをプッシュしていた。
メニューが多数で、どれを注文していいかわからないが、
とにかく入ることにした。
というのも、写真を撮っている間、
3人のサラリーマン、2人のサラリーマンが次々と入っていったからだ。
しかも自分が入ろうとしたら、あとからもサラリーマン風の男性が2名がやってきた。
最初の3人と2人は5人組のグループ。ワイシャツにネクタイ、
あとからきた2人はノーネクタイのワイシャツ姿。
先に席に座っていたのが医療関係らしき、4人組。中年女性2人組。
奥にあった6人がけの席が空いていたので、そのいちばん奥に座る。
フロアは女性2人のようだ。かなり年のいった女性とそこそこ年のいっている女性2人。
そこそこ年の人は元気いっぱい。
おもしろい。
店内にもメニュー多数、写真多数。
「得した気分になる五目そば」というメニューが気になり、
写真を探したけれど、見当たらない。
そのかわり「たんめん」の写真が目に入った。
チャーシューがのっている。珍しいなと思い、それを注文。
ほどなく、ドクター組と中年女性が会計をして出ていった。
会計をするときにも、なんだかよくわからない、漫才のようなやりとりがあった。
厨房が見える場所に座ったので中を見れば、男性1人、女性3人が働いている。
さすがにメニューの多さだろうか、5人組はそれぞれが別のものを注文しているようだ。
あとからきた2人組の丸顔メガネが半ちゃんラーメンを注文すると、もうひとりも「僕もそれで」と注文。
さらに、あとからきた単独のこれまた丸顔メガネのサラリーマンも半ちゃんラーメンを注文している。
30代と思しき、自由業ぽい男性がさっさと入ってきて誰も座っていない4人がけのテーブルに座り、
「ねぎ味噌」と注文。慣れた感じだ。
僕よりも少し年上かと思われる女性が入ってきて、僕が座っている6人がけのテーブルの
僕の座っている側のひとつおいた席に座り、「中華丼、薄味でお願いします」と注文した。
ああ、そういえば壁には「うす味希望の方お申し出ください」と張り紙があった。
ここは味が濃いのかな、少し心配になる。
アラフォーっぽい女性がすっと、先ほどの中華丼を注文した女性の前に座り、「冷やしそばください」と注文。
それにしても、みなさん、すっと座り、すっと注文する。
5人組の料理が提供され始める。カツ丼、レバ焼きライス、唐揚げに炒飯、それからカツカレー。
カツカレーはものすごく大きな皿に盛られている。少し遅れて、味噌ラーメン。
と、6人掛けのテーブルの僕の前と斜め前に、
「すいません、ここ置かせてもらいますね」と元気のいいフロア女性が
ラーメンどんぶり2つほど置いていった。
さっきまで、ずっと厨房とフロアの間に置かれていたものだ。
出前なのか、それとも半ちゃんラーメンの、ラーメンなのか。
独特だね。卵も少し入っている。なんといってもチャーシューがのっかっているのが、変わってるか。
麺はかなりの細めん。他のラーメンなどとは太さが違うように思った。
スープはやさしい塩味。
と、フロアの女性と厨房の女性が目の前のに座り、麺を食べ始めたではないか。
これは、まかないだったのか。
僕が食べ終え財布を出すと、前で麺をすすっていた女性が700円です、と言う。
ご馳走様と千円札を渡すと、レジから100円玉3枚のお釣りを渡しながら、
「お騒がせして」と言った。
なんのことやらわからなかった。
客が多いからお騒がせか、あ、いや、いっしょに食事をしたということか。
お騒がせという感じはしなかったけどね。
またこよう。
ちなみにこのお店、Ingress(イングレス)という陣地取りゲームの
ポイントとなるポータルになっている。
自分が知る限り、町中華がポータルになっているのは、
ここぐらいしか知らない。
他にご存知の町中華ポータルがあれば、教えていただきたい。