竜超の肉中華巡礼 哀愁あふれる商店街で活気みなぎる精力的出前店を見た!

6月28日(火)各線「南千住駅」改札前12:00集合
参加者/下関マグロ、西沢格、竜超


先週に引き続き、小雨の降るあいにくの天気なり。
今回の集合地は、芭蕉センセイが駅前に立つこちら!

この立像は「松尾芭蕉が奥州路へ思いを馳せながら矢立初めの句を詠む姿」なんだそうです。って、これではどこだか分からんですな。
要するにここです。

お隣の北千住には30年以上も昔、1カ月間だけ住んだことがありましたが、「南」には多分初めて降り立ちやした。
例によって1時間ほど早く現地入りし、下見をチョコチョコ。
この辺りは寺町エリアのようで、地図を見るとお寺がいっぱいなり。

駅前にドドーンと公方様の紋所があって「なんじゃ?」と思って地図を見たら、なんと「回向院」とある。
「えっ、回向院って両国でしょ!?」と脳内が「?」で埋め尽くされたので調べてみると、こっちも確かに回向院で、元々は両国の別院だったんだそうだ。現在は独立し、「豊国山回向院」というのが正式名称らしい。

隣には「首切り地蔵」という大きなお地蔵様がお祀りされていた。
時代劇とかでお馴染みの「小塚原刑場」で斬首された罪人を弔うためのものだという。

そんな厳粛な史跡の真向かいにあるのは、なんと「せんべろ」系の呑み屋。

門前仲町の時もそうだったが、なんで「聖」と「俗」は向かい合っていることが多いのでしょうかね。
まぁ、俗の体現者たるオイラとしてはこっちに心惹かれてしまうのですが。

ブラブラしてたら集合時間。駅前に行ったらマグロ・西谷両隊員がいた。
今日は3人だけだというので出発。「南千住仲通り商店街」という道へ入る。

あまり活気のない通りだが、そのぶん哀愁が漂っていて悪くない感じ。
よく見ると、古びたアパートの窓の手すりに「ハート形」の細工が施してあったりして、昭和チックな遊び心が感じられた。

淋しい通りながら、頑張ってる店は工夫してる。

昔は岡林信康の歌、今は外国人バックパッカーの宿泊地として知られる「山谷」に近いためか、お寿司屋さんでもインターナショナルなのねん。
でも、バックパッカーはスシバーとかに行くのかしらん?

この通りで、俺の心を掴んだのはここだ!

「とんかつ 中華 三好弥」といえば、神保町にもあったね。
本日の日替りサービス定食は「チキンカツ 玉子焼 さつまいもの天ぷら 750円」だそう。

こっちは、ペーソスあふれる通りに逆行し、なんか華やか。芸能人のサインがいっぱいだよ。
サインの書き手に一貫性はなく、ベテランシンガーソングライターから今をときめくアイドル俳優まで色々。

仲通りを抜けて、大通りを横切り、有名商店街「ジョイフル三ノ輪」へ入る。

ここへは以前、都営荒川線ツアーで来たことがあったが、あの時より賑わってる気がする。
「280円弁当」も美味そうだ。バックパッカーはコッチ狙いかな。

ジョイフル三ノ輪にも一軒の町中華があったが、「しばらくお休みします」との張り紙が・・・。
先だっての「日の出」のように、町中華においては「しばしの休み」が「永遠の別れ」になりがちなのは周知の事実。こっちはどうなんだろう。

さぁ、どこへ入るか決める時間だ。
っていうか、俺はもはや「三好弥」しか考えられない。いざ入店!

店内はテーブル席だけで、繁盛してはいるがギューギューではない。うん、俺好みだ。
女将さんに「日替りください」と注文して、一息つく。
洋食メニューを頼んでいる人が大半だが、味噌バターラーメンの人もいて、そこそこ中華も出ているようだ。

感心したのは「出前」の注文がひっきりなしに入っているところ。
俺がいる間だけで確か3件は入ったと思うよ。出前担当のおじさん(大将?)も忙しそうだ。
最近の町中華は高齢化もあって、出前をやめてる店が多い。
「自分らが無理なく出来るとこまでやって、いよいよ無理になったら閉店しよう」
多分こんな感じのところが多く、なんというかチキンレースみたいな感じなのだ。
しかしこの店は昭和の町中華全盛期並に出前がバリバリ状態で、なんか未来を感じさせる。

そうこう言ってるうちに日替わりランチが来た!

アップはこちら。よく見ると、マカロニサラダも付いてるよ。

玉子焼は、オムレツみたいな感じかと思ったが、ものすごく和風で王道的な「玉子焼き!」であった。
チキンカツはコロモがサクサクで歯ごたえ良し。
当初、相性はいかがなものかと思ったさつまいもの天ぷらとも意外に合ってる。
このボリュームで750円はお値打ちな感じっス。

お勘定して駅へ戻る。
油流しは「あいるとんカフェ」というところ。

じつはトロさんが来た場合に備えて「喫煙可」の店も用意しといたんだけどね。

こちらはドロンズ石本や厚切りジェイソンも来店したという。
意外に芸能人来てるのね、南千住。
そして頼んだのは「キャラメルパフェ(大)」500円。

ほどなくマグロ、西谷両隊員もやって来た。うすら寒かったせいか、2人はホットコーヒーをオーダー。
アレコレ話し、14時過ぎに解散。今回は久々にコスパの良い肉メニューとパフェが食えて良かったのです。

ABOUT ME
竜超
1964年、静岡県生まれ。『薔薇族』二代目編集長。1994年よりゲイマガジン各誌に小説を発表。2003年より『月刊Badi』(テラ出版)にてコラムを連載。著書に『オトコに恋するオトコたち』(立東舎)『消える「新宿二丁目」――異端文化の花園の命脈を断つのは誰だ?』、『虹色の貧困――L・G・B・Tサバイバル! レインボーカラーでは塗りつぶせない「飢え」と「渇き」』(共に彩流社)がある。