取材したくなった「トキハ」@要町

MCT要町アタック。
池袋から至近なのに、そこはかとなく漂うローカル感。
主要店は4店舗で、うち1軒が休みのためまわったのは3軒だ。
参加者は副長マグロ、半澤隊員、技術ヨシオカ、立ち食い野郎・本橋隆司とぼく。
野郎5人でのぶらぶら町中華である。
ヨシオカとマグロが入った「揚揚」
半澤が狙いすましていた「蓬来」
ぼくは昭和の佇まいが濃厚な「トキハ」に一目惚れ。
3階建てで、たぶん持ち物件。上に住んでいると思う。
3階に布団が干してあって、2階は店で使うタオルかなあ、干してある。
読み方は「ときわ」なのだと教わった。
創業だいたい60年と説明もアバウト。
メニューは豊富だ。
どれにしよっかなと考えているところへ、「蓬来」にいったはずの
本橋さんが入ってきた。
ぼくはもやし麺と餃子。本橋さん、悩んだ末に決めた。
「五目ワンタンください」
ほぅ渋いね。あまり空腹じゃないのかな。
待ってる間、電子タバコのこととか、製麺所を取材したいとか雑談。
テレビではスカパーだろうか、テニスをやっている。
もやし麺がやってきた。
あんかけじゃなくて、さっぱり醤油味。
これがこの店のもやし麺で、言えばあんかけにもしてくれるそうだ。
「あんかけ、すぐできるもんね」
愛想のいいご主人だが、輪をかけて人が良さそうなのが女将さんだ。
ぼくはこの時点で、いずれ取材させてもらおうと決めたくらいだった。
なのでご主人や女将さんをこっそり撮るなんてことはしないのだ。
本橋さんの五目ワンタンもきた。
これは撮り忘れたんだけど、ボリュームがあって見るからにうまそう。
ついつい箸の動きを目で追っていると、
箸が丼の底の方をまさぐるような動きを見せている。
ピンときた。
麺を探しているのだ。
「あれ?」と本橋さんが言った。「麺がない」
「だって、五目ワンタンって言ったよ」
「うわーそうか、メンって言い損なった」
注文間違いした本橋さん、やや焦りの色を見せながらも
「ライスください」と冷静に対応した…はずだったが。
この顔である。
「食べても食べてもワンタンが出てくるんですよ」
うひゃひゃ、おもしろいなぁこの困り方は。
さらにライスも盛りが良く、小鉢までついてきて、
食べきれるかどうか怪しいのだ。
ぼくも腹が一杯で手伝う余力がない。
完食したけどね。
ABOUT ME
北尾トロ
北尾トロ(きたお・とろ) 1958年、福岡県生まれ。法政大学卒業。裁判傍聴、古書店、狩猟など、体験をベースに執筆するライター。『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』『猟師になりたい!』シリーズなど著書多数。長野県松本市在住。