竜超のMCT備忘録 大田区大森の巻

11月21日(金) JR大森駅中央改札 正午集合
参加者◎北尾トロ、下関マグロ、竜超

今回は、以前にやる予定だったが「とある事情」によって急きょ中止となった「大森探検」である。まぁ探検予定日、マグロ隊員のイチオシ店が定休日だったことが判明したからだったんだけど。今回は、そのリベンジなのである。今回は半澤隊員が休みなので、参加者はトロ、マグロ、竜、というMC3なり。

ボクが大森に降り立つのは1983年以来。この地に遠い親戚(祖父の弟の一族)がいて、そこに来て以来なのであった。大森は面白い構成の街で、東口は駅ビルの「アトレ」があったりして賑やかなのに、西口は駅正面に小さな個人店が無数に連なっていたりする。西口の風景を見たとき、「あっ! そうそう、こういう街だったよ」と前回のことを思い出したなり。

西口エリアからまわりだすが、中にはすでに閉店して「町中華遺跡」となっている店もあって、「もうちょっと早ければ・・・」という思いにかられる。あと、「体調不良で休業中」という店もあったね。無事営業再開されることを一同で祈る。

線路に沿って道を行くと、「新宿ゴールデン街」のコンパクト版みたいなエリアがあって、こちらもイイ感じ。子どもの頃に過ごした辺りに似ていて懐かしいなぁ。付近にあった「てんちゃん食堂」という店に心惹かれながら、東口エリアへ移動。

賑やかな東口エリアを歩く一同。「大森は町中華の豊作地帯」とマグロ隊員から事前に聞かさㇾていたが、まさにそんな感じ。色々あって迷うね。この辺の定食の相場は「700円前後」位な感じ。中には「デザートまでついて600円台」というところもあって、なかなかの激戦区とみた。

JR駅前を離れて、京浜急行のお膝元エリアまで移動。こちらにあるのが、前回の探検予定を変更させたマグロ隊員イチオシ店「満福」である。なるほど、王道的町中華のたたずまいで、これはソソられるねぇ。

店の前で写真を撮っていたら、中から親父さんが出てきて、気さくに話しかけてくれた。「空いてるよ。入んなよ」と言ってくれているので、「それならば」と入店。親父さんが言うには、この店には地方からもネットの口コミで来る人が大勢いるので、よく店の前で声をかけるのだと。店内には「モヤモヤさまぁ~ず」が来たときのサイン色紙も貼られており、確かに人気がありそうな感じ。

こちらは「麻婆メニュー」が人気らしい(ノレンにも「麻婆」と書かれている)。「麺」と「丼」があるそうで、マグロ隊員は「麺」をオーダー。

ボクは「かつ丼」、トロ隊員は「チャーハン」、さらに「皮から全部手作り」という「ギョウザ」と「シュウマイ」も頼む。

親父さんは立て板に水の口上で、メニューの食べ方を指南してくれた。中でも餃子の食べ方は初めて聞くもので、「へー」と唸らされた。どう唸らされたのかについては、ぜひ直接出向いて聞いてください(←ささやかな意地悪)。

当初はMCTオンリーだった店内も、徐々に客が増えてきて満席に近い状態に。もうとっくに午後1時を回っているのにねぇ。家族だけで午前11時から午後10時まで休憩なしで営業しているとのことだが、いかにも「地域の人気店」という感じだ。こちらは半世紀前から営業しているそうだが、駅前にまぎらわしい店名の中華店ができて、しかも名物メニューまで「麻婆」とかぶっているのだそうだ。間違い電話がかかってくることもあるそうだが、なんだかねぇ~。

油流しは、来るときに目をつけておいたレトロな喫茶店(カフェとは一線を画す)。他愛もない話をしながらダラダラ過ごす。その際、MCT隊員に下されている「地域ローラー作戦」のミッションについてのお願いを。当初、「家の近所担当」を志願したボクであるが、よく考えたら「近所でわざわざ外食はしない」のだ。外食というのは「遠出して、家で食えない場合」にするものなので、今後は「様々な出先でたまたま見かけた町中華」をピックアップさせていただくことに。名づけて「アラこんなところに町中華プロジェクト」。これからは「さすらいの町中華師」として各地を巡るので4649なり。

ABOUT ME
竜超
1964年、静岡県生まれ。『薔薇族』二代目編集長。1994年よりゲイマガジン各誌に小説を発表。2003年より『月刊Badi』(テラ出版)にてコラムを連載。著書に『オトコに恋するオトコたち』(立東舎)『消える「新宿二丁目」――異端文化の花園の命脈を断つのは誰だ?』、『虹色の貧困――L・G・B・Tサバイバル! レインボーカラーでは塗りつぶせない「飢え」と「渇き」』(共に彩流社)がある。
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