見えてきました、行き先が。
「中華 五芳斉」さんだ!
本日参加の5人は、
濱津和貴(カメラマン)、増山かおり(ライター)、
半澤則吉(ライター)、目黒雅也(イラストレーター)と北尾。
この店は全員初訪問だが、さて。
早稲田界隈は学生も多いことから、早稲田大学を中心に
町中華がひしめくエリア。
が、この「五芳斉」は少し外れた神楽坂寄りにあり、
我々のチェックが及んでいなかったのだ。
入り口の手書きメニューからしていい感じ。
上のABCと
下の本日のサービス麺は書体が違うね。
全体的に手ごろな値段であるだけでなく、さまざまなサービスを駆使して
客に喜んでもらおう、ドアを開けてもらおうという気持ちが伝わる。
ぼくは、こういう入り口にある「本日もの」も、町中華の大事な要素だと思う。
もちろん、ランチなどやってる店なら中華に限らず掲示されているので
めずらしくはないけれど。
隊員はこれを見ていい予感がするらしく、
いったんは混んでいたため離れたが、30分後、
再び店頭に立ち、そのまま入店。
店内は奥に広く、最奥に陣取って、またメニューとにらめっこ。
それぞれ好みの定食やセットを注文した。
半澤、増山、目黒はいかにも飲みたそうにしていたが、
その後の用事が入っており断念。
が、テンションは落ちることなくまつことしばし。
どーん。
半澤隊員の炒飯セット。
スープではなくトン汁が選べるってのが町中華では珍しい。
これに唐揚げまでついてくるのだ。
ぼくは麻婆豆腐が食べたくなり、となるとトン汁とは合わないなと
考えて、50円プラスで変更可能な半ラーメン、半ワンタンのうち後者を選択。
これで730円はリーズナブルでしょう。
味にも特徴があった。優しいのだ。
町中華ならではの直球な辛さ、甘さ、しょっぱさがなく、
家庭料理の延長のような、あまり刺激的ではない味つけ。
その秘密は厨房にある。
女性二人で回している店なのだ。
ご主人(二代目)が亡くなられ、後を継いだ奥さんは、
できないものはあきらめ、
それまで手伝っていて覚えたメニューをベースに、
3年ほど前から新生・五芳斉に取り組んだという。
「ラードはきついから普通の油に変えて、トン汁などの
自分にできるサービスを加えたんです」
それがうまくいったなあ。ほかでは食べられない独自性を
生み出したんだ。
こんな話をレジでするのも野暮なので、
MCTの名刺を渡して「またきます」と挨拶した。
そうしたら、女将さん
「ありがとうございます。励みになります」
MCTを名乗ってこんなに喜ばれたことってなかったよ。