成人の日、三龍亭@荻窪

半澤個人活動。
もう10日も経ってしまったが
先日荻窪三龍亭に足を向けた。
昨年末トロ隊長と出向いて時間が合わず、入れなかった店。
以前マグロ隊員、増山隊員が訪れ、チキンカツカレーがスゴいといううわさは聞いていた。

店に入ると、おかみさんと目が合う。
正確にいうと、「店に入ると」ではなくて
「入り口から道の向こうを見遣っていた」おかみさんと目が合う。
彼女は何を眺めていたのだろう。
僕が店内に入ってからも
注文を聞き、お冷を給してくれた以外は終始、外を見つめるおかみ。

本日の料理は「味噌野菜炒め定食」850円
ふつうの野菜炒めより80円高いのだけど
今年をホイコーロー元年とし、研究に勤しむことを決めた僕は
迷わずこちらを注文。
今後も、ホイコーローがなかったら近しいものに注目していきたい。

で、これが正解でした。
チキンカツカレーの話を聞いていたから、知ってはいたけど
ここの店基本大盛り。食べごたえ十分。
肉もうまいが、野菜使いが非常に上手。
キャベツのシャキシャキ感は、さすがプロの料理。
家でも作れる、野菜炒め、(まあホイコーローもそうだけど)
町中華で食べるそれは一味違う。
野菜の下ごしらえと炒め方、多分基本的なことなのだろうけど
細やかな仕事が成せる業なのだと思った。

小皿に入った三龍亭の文字が美しい。
後日、十条の三龍亭に竜隊員、あきやま隊員がアタックしたと聞いた。
マグロ隊員によれば三ノ輪にルーツの店があるそう。
他には北砂、行徳、川越にもある「ゆるチェーン」というか暖簾分け店。
最近観光地として話題だし川越にも行ってみたいなあ。
三龍亭研究もはじめましょうか。

おかみさんが、常連らしいおばちゃんと話している。
耳をそばだてる。
おかみさん:「そうなのよ、目の保養になるわ」
客:「あら、本当、今日は成人の日かあ」
おかみさん:「ね、きれいねえ」
そう、この日は成人の日。
おかみさんがガラス戸の向こうに見ていたのは
新生人の色鮮やかな振袖だったのだ。
なんだか、年に一度のイベントに立ち会えた気がして
うれしかった。

文/半澤則吉

ABOUT ME
半澤則吉
半澤則吉(はんざわ・のりよし) 1983年、福島県二本松市生まれ。学習院大学卒業後、印刷会社勤務を経てフリーライターに。人・食・物・旅についてあらゆる媒体で執筆する。朝ドラを中心にドラマ記事を書く朝ドラ批評家、ドラマライターでもある。