竜超のMCT備忘録 台東区谷中の巻

6月23日(火) JR「日暮里駅」 正午集合
参加者◎下関マグロ、増山かおり、半澤則吉、竜超

竜超にとって2回目の町中華探検、正式入隊後は初となる今回の目的地は「谷中」。近年は「谷根千」と呼ばれて観光客で賑わう下町の筆頭エリアである。
線路を隔てて片側は近代的なビルが並ぶ繁華街、その逆側は広大な霊園を擁するノンビリ地帯という、あしゅら男爵みたいな区分の日暮里駅の改札前で待ち合わせ。
トロ隊長が探検に不参加なのは、マグロ隊員によれば「初」なのだとか。

谷中エリアはボクの古本散歩コースのひとつなので、割とよく来るのだが、「町中華めぐり」としては初めてなり。
歩いていくと、マグロ隊員オススメの店がいくつかあったのだが、「長期休業中」だったり「閉店」していたりと、哀しい状況が続く。個人的には「中華喫茶 大使館」というのが心の琴線に触れたのだが、こちらも廃業していた。
谷中エリアの衰退ぶりは他地区を上回るもののようだ。

まだ健在の数店を見た結果、「砺波(となみ)」というお店にお邪魔することに。
昔懐かしい木造店舗もイイ風情なのだが、それ以上に、600円と格安な「焼肉定食」に惹かれた。

「ギョウザラーメンライス」が950円なのに、なんで焼肉がこんなに安いの? と、ミート至上主義者なら当たり前の疑問を抱く。
やって来た定食の焼肉は「肉野菜炒め」的な布陣だが、家庭料理ぽい風情でそこそこ美味し。

他には「カニツメフライ入りラーメン」というのを頼んだが、地元の人たちにとっては「日常圏内のささやかな贅沢」というメニューか? たまの日曜、「よし、今日はカニツメフライ入りラーメンを食いに行くか」「やったー、お父さん!」みたいな。

たっぷり食った後、日暮里駅前の喫茶「ニュートーキョー」で恒例の油流し。
ボクはフルーツパフェを頼んだが、これが絶品! 甘さ、酸味、クリーミーさが絶妙な配合で、ここ数年のうちに食ったパフェの中でトップなり。この店にはまたこれを食いに来たいところであった。
あ、いかん。町中華探検より油流しのほうが印象に残ってしまった。ま、いーか。

ABOUT ME
竜超
1964年、静岡県生まれ。『薔薇族』二代目編集長。1994年よりゲイマガジン各誌に小説を発表。2003年より『月刊Badi』(テラ出版)にてコラムを連載。著書に『オトコに恋するオトコたち』(立東舎)『消える「新宿二丁目」――異端文化の花園の命脈を断つのは誰だ?』、『虹色の貧困――L・G・B・Tサバイバル! レインボーカラーでは塗りつぶせない「飢え」と「渇き」』(共に彩流社)がある。