2015 半澤の町中華ベスト3

町中華探検隊に参加してから、世の、中華屋という中華屋が気になるようになった。

可能なかぎり暖簾をくぐりたいと思っているのだが
ふと冷静に考えると、ラーメンは安くても4〜500円くらいはする。
(武蔵小山、正来軒は確か250円だったけど)
定食となると7〜800円は当たり前。
しかも町中華探検隊は、はるばる遠くに出かけて中華を食う。
押上に行ってもスカイツリーに見向きもせず、喜んで中華屋の看板を撮影したりしている。
往復の交通費も考えると1食はあっさり1000円オーバー。
それなのに決して豪華ではないランチを食し、
文句をいわず、いや時に強い語調であーだこーだいっては
各々の町中華論を語り合っている。しかも平日の昼間、大の大人が何人も集って。
これは「使命感」がなせるワザと思っている。ではその使命感とはなんぞや。
年末ということで2015年ベスト3を挙げてみたら
自然、町中華の使命みたいなものを考えさせられることとなった。
そういうとちょっと大げさだけど
この3軒は、「町中華」に対する僕のモチベーションを
間違えなく高めてくれたお店である。
第3位
「平和軒」(大崎)
この店についてはトロ隊長、マグロ隊員が書いていらっしゃる。(画像はトロ隊長のところからお借りしました)
トロ隊長の記事
http://www.repo-zine.com/archives/14800
マグロ隊員の記事
http://www.repo-zine.com/archives/14848
素敵なビジュアル。素敵な店名。
これは次の代のために記録、記憶していかねばならない、町中華直球ど真ん中。
ここで僕は町中華探検隊をやる意味を理解した。
第2位
「光栄軒」(荒川区役所)
嘘みたいな量のチャーハン。嘘みたいな量のお通し。
町中華なのに行列ができる店。
こんなユニークな店が、地域に溶け込んで何世代にも渡り愛されているのが面白い。
エンタメ系町中華も今後どんどん取り上げたいテーマだ。
第1位
「徒歩徒歩亭」(四谷)

町中華の過去、現在、そして未来を語るうえで外せない店。
都合3度訪れることになったが、今日にでもまたいきたい。
四谷の有名店「こうや」の遺伝子を継ぐ店で、こうや店主の娘さんが経営している。
とにかくどのメニューもうまい。
外観も内装もきれいだし新しいお店だから
町中華じゃない、という声もあるかも知れないが
今後町中華探検隊として活動するうえで早いタイミングでこの店に出会えてよかったと、僕は思っている。
10年後20年後にも行きたい店だ。
えらそうに使命などと語り、あげく順位までつけさせてもらったが
町中華全体からすれば、まだまだほんの一部の店にしか行けていない。
しかも、ここで挙げた3軒はもちろん、今年行ったほかの多くの店にも
何度も足を運びたくなる強力な引力がある。リピート必至なのである。
来年は、数をこなすことも目標ながら
名店の常連さんにもなってみたい。
取り急ぎ来年に向け、単焦点のレンズを購入。
湯気をかぶりながら、さらに近距離で丼に向き合えそう。
野望は大きくなるばかりだ。
文/半澤則吉
ABOUT ME
半澤則吉
半澤則吉(はんざわ・のりよし) 1983年、福島県二本松市生まれ。学習院大学卒業後、印刷会社勤務を経てフリーライターに。人・食・物・旅についてあらゆる媒体で執筆する。朝ドラを中心にドラマ記事を書く朝ドラ批評家、ドラマライターでもある。