2015年「驚き」のベスト3

2015年は、前年に産声を上げた町中華探検隊(MCT)の活動が活発化した年だった。
メンバーが増え、雑誌連載を持つようになり、といろいろ変化があったが、
定期的に(ほぼ週一ペース)でメンバーが集い、町中華を食べに行くという
ベーシックな活動が定着してきた。
それでも、ぼくが食べた店は50軒に満たないだろう。
来年はもっといろんな町中華に触れたい。

味のいい店、盛りのいい店、ご主人がイイ店など印象的なところが多かったが、
ベスト3は「おお!」と驚いた店を選んだ。

●次点  「丸長」(下北沢)

絶品レバニラ炒めもさることながら、「丸長」グループの歴史について
教わることの多かった下北沢の名店。ご主人との会話でここほど
「え?」「本当ですか?」「知らなかったぁ」が飛び交った店はなく、
MCT活動に勢いをつけていただいた。感謝。

●第3位  「一番」(三鷹)

看板のない店はたまにあるが、その理由が振るっていた。
数年前、嵐でテント(店名の書かれたシート状のもの)が
飛ばされ、直すのも面倒で、というものである。
数年って…
町中華がいかに地元の常連客に支えられているか、
一見客をアテにしないで商売しているかを思い知らされた。

●第2位 「大宮飯店」(西荻窪)

ちゃんぽんが衝撃だった。
なぜなら店主は長崎ちゃんぽんという食べ物を食べたことがないからだ。
それでも20年来、不動のメニューだという。
妄想力が生み出した自由すぎるちゃんぽん。
怖いものなしの町中華。味は二の次だ。

●第1位「日の出」(大久保)

絵に描いたような町中華店として記憶に残るだけでなく、
味付け、メニューの豊富さ、値段の安さ、客さばきなどなど
あらゆる点で感銘を受けた。2月、ぼくと下関マグロだけで活動していた
MCTに増山かおりが入る際、一緒に食べた店でもある。

我々が食べた店は、東京都に限ってもほんの氷山の一角に過ぎない。
2016年も胃腸の調子を整えつつ、町中華めぐりを続けていこう。

ABOUT ME
北尾トロ
北尾トロ(きたお・とろ) 1958年、福岡県生まれ。法政大学卒業。裁判傍聴、古書店、狩猟など、体験をベースに執筆するライター。『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』『猟師になりたい!』シリーズなど著書多数。長野県松本市在住。