なごみの夕飯 萬里@石巻

石巻へ取材に行ったら、奇遇にも、友人一家が水戸から旅行にきていた。
宿まで同じだというので、取材チームと一緒に夕食でもという話に。
石巻にきたなら新鮮な魚を、と編集者やカメラマンは考えていたかもしれないが、昼間、狙っていたらしい寿司屋が定休日であると編集者はいってたなあ。
今日が休みなのは市場が休みだからでもあるだろう。
他にも寿司屋はあるだろうが、それを探したりもしないところをみると、
そんなにこだわってはいないようだ。
ぼくも寿司は好きだけど、友人一家と合わせて7名、しかも子供が二人いて
入れる寿司屋はそうそうないだろう。
こんなときこそリーズナブルな町中華だ!
旅先だからこそ、一期一会の町中華なのだ!
最年長者がそんなこといってはしゃいでいたら、反対しにくいってこともあるけど、
この日のメンツは町中華に好意的でもあった。
『萬里』(ばんり)発見。
ラーメン350円。圧倒的な安さだ。
メニューも豊富。カレーやオムライスこそないもののカツ丼も備える。
子ども連れであれこれ迷ってるわけにもいかず、ここに決めた。
靴を脱いで小上がりに。テーブルふたつ使用。
我々は日中、お菓子の取材で甘いものを大量摂取しており、
食欲こそあまりないがしょっぱいものやしょうゆ味が食べたい。
ビールなど飲み物を頼み、まず餃子を4枚。
独自の製法で知られる石巻焼きそばを2皿頼む。
量が多く、シェアして食べてたら腹が膨らむ。
オトナはビールを追加。計7本。
ぼくは焼酎お湯割りを1杯だけ。
子どもはラーメンを注文し、絵を描いたり転げまわったり。
もう少し食べたいなと思い、みそ辛子タンメン。
真っ赤である。量も多い。壁の写真より大盛。
小皿を使い皆で食べる。おいしい。辛さが嬉しい。
6時過ぎに入店し、お客さんもよくはいり、地元の人気店であることがうかがえた。
我々はのんびりしていて最後の客になったが、子どもが騒いでも、
追加、また追加の面倒な客であっても、店の人は嫌味ひとつ言わない。
といって、話しかけてくるでもなく、ほったらかしていてくれる優しさを感じた。
のんびりした気質なのかなあ。菓子屋の取材でも同じことを感じた。
会計は9000円ちょい。
酒8、食べ物8か9品。
すごく安いよ。
ABOUT ME
北尾トロ
北尾トロ(きたお・とろ) 1958年、福岡県生まれ。法政大学卒業。裁判傍聴、古書店、狩猟など、体験をベースに執筆するライター。『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』『猟師になりたい!』シリーズなど著書多数。長野県松本市在住。