酢豚探偵の町中華備忘録 新宿区・小滝橋の巻

2月16日(火) 13時過ぎの新宿区・早稲田通り(小滝橋界隈)
探検者/竜超

竜超です。今回は、自宅と仕事場のちょうど中間あたり、小滝橋通りと早稲田通りがぶつかるあたりのチャイナを探検したのです。

昼過ぎまで仕事場で用足しをした後、界隈の口コミで名前が挙がっていた「王記餃子房」に行ってみることに。この辺りはJRの「大久保」「高田馬場」「東中野」どれからも均等に遠い「陸の孤島」(大江戸線ができる以前の麻布十番や白金みたい)だが、すぐ隣に都バスの「小滝橋営業所」があるので、来ることは容易なり。ここからは上野や新橋などへ行くバスも出ているのだ。

この店はランチタイムは11:00~15:00で、2時間の休憩をはさんで17:00から夜の部となる。入店し、酢豚定食(750円)を頼んで一息つく。ここは酢豚と、中国名である「古老肉」が併記されている。

しばらくし、中国人のウェイターさんが定食を運んできた。酢豚にご飯、中華ドレッシングのかかったキャベツサラダ、みじん切りにされたザーサイ、しょう油味のワカメスープ、一口タイプの杏仁豆腐といった布陣だ。

酢豚の具材は、タマネギ、ピーマン、ニンジンというオーソドックス。酸味より甘身の方が優っている味付けで、子どもには喜ばれそう。クリスプ系の対極をゆく揚げ方。肉は柔らかいが、プリプリしていて弾力に富み、歯ごたえがある。甘めのタレのせいか、なんだか途中で「エビチリ」を食べてるような錯覚におちいる。肉の量も多めで、ボクのようなミート派も満足できる。

サラダのキャベツは限界ギリギリまで細く切られ、食感はサクサクだよ。酢豚が甘めなぶん、付け合わせのザーサイはピリ辛。口が甘くなったときにひとかけら食べると、良いアクセントとなる。デザートの杏仁豆腐はスッキリした味で、締めくくりにピッタリ。

勘定を済ませ、店頭でメニューの写真を撮っていたら、先述のウェイターさんが出てきて、メニューのチラシを渡してくれた。外食激戦地・東京で生き残るべく、色々頑張ってるみたい。ボクは、いわゆる町中華も応援するが、頑張ってるチャイナにもエールを送りたいのだ。頑張ってる人はみんな素敵です(ボクも頑張ってるよ)。

ABOUT ME
竜超
1964年、静岡県生まれ。『薔薇族』二代目編集長。1994年よりゲイマガジン各誌に小説を発表。2003年より『月刊Badi』(テラ出版)にてコラムを連載。著書に『オトコに恋するオトコたち』(立東舎)『消える「新宿二丁目」――異端文化の花園の命脈を断つのは誰だ?』、『虹色の貧困――L・G・B・Tサバイバル! レインボーカラーでは塗りつぶせない「飢え」と「渇き」』(共に彩流社)がある。