酢豚探偵の町中華備忘録 北区・東十条の巻

2月12日(金) JR東十条駅北口 正午集合
探検者/下関マグロ、半澤則吉、濱津和貴、竜超


竜超です。今回は、ちょっと前に行った「十条」からちょっとだけ離れた「東十条」に行きました。「十条の中二階」程度のイメージしか持ってなかった町だけど、じつは驚くほど奥行きがあったのだった。

集合時間は正午だが、せっかくだからと隣駅の「赤羽」に先に行き、そちらを散策することに。思った以上にアクセスがよく、9:50についてしまったが、そこからブラブラ歩いていたら、ちょうど10:00にブックオフに着いた。ブックオフの棚にはその町のキャラクターが現れる。面白い町だと面白い棚ぞろえとなるのだ。そして赤羽店の棚は・・・わりとボク好みで3冊ほど買ってしまったよ。

ブラブラしながら町を覗いた後、ブラブラと東十条まで。20分以上早く着いてしまったので商店街を「予習」しようと歩き出したのだが・・・ここの商店街のなんと長いことよ! 隣の十条商店街ばかりマスコミが取り上げるのでそっちしか知らなかったが、こっちも負けず劣らずの規模なのだ。交差点を2つまたいでもまだ終わらず、これはなかなか面白そうだ。駅まで戻る中で、早くもいくつか候補店を見つけてしまったよ。

途中、LINEで濱津・半澤両隊員が少し遅れる、との連絡が。なのでゆっくり待ち合わせ場所に向かう。しばらくしてマグロ隊員が現れる。少し経って半澤隊員、もう少し立って濱津隊員が到着。マグロ隊員が「東十条は町中華タウンなんですよ」と言い、その根拠として、北口改札の真正面に設置された「ラーメン屋看板」を指した。一理あるような、無いような・・・。でもまぁ縁起物だから、と、プロ写真家である濱津隊員に看板前で一枚おさえといてもらう。

商店街を見るなり「えー、長いですねー」とはしゃいだ声をあげる半澤隊員を横目に、「若いな、小僧。ワシはもうすでに端まで行ってきておるのだよ」と、密かに優越感にひたるボク。ひと通り見回ったあと、各人が行く店を決める。ボクはマグロ隊員推薦の「酢豚丼」の店に行こうとしたが、席についてオーダーすると、「ごめんなさい、酢豚、終わっちゃったのよ」と。あわてて店を出て3人に追いつき、第二候補の店にすることを宣言す。

第二候補店は「中華あかしや」というところ。日替わり定食の「酢豚」が、なんと半ライスとラーメン(醤油、塩、わんたんの中から選択)付きで650円だという。個人店でこのプライスは、かなりの出血サービスだなぁ。ノレンをくぐると、先客は3組。空いているテーブルに座ると、「酢豚定食、醤油ラーメンで」とオーダー。

店は、厨房にお母さん(たぶん)、ホールに息子さん(たぶん)という2人体制。ほどなく出された酢豚は、タマネギ、ニンジン、ピーマン、タケノコという具材構成で、甘酢あんはかなり濃いめ。肉は柔らかめ。

ラーメンは、チャーシュー、メンマ、わかめ、ねぎという布陣。あと、大根などの漬物も。チャーシューはなかなかおいしい。半ライスも食べると満腹になり、これなら働き盛り男子も満足できそうだよ。

食べ終わり、店の外観を撮っていると、「竜さん」と背後から。振り向くと半澤隊員がいた。話しながら駅へ向かい、逆側の出口そばの喫茶店に入る。やがてマグロ、濱津と集まってきて、本日の結果をあれこれ。

店を出て、埼京線に乗るべく十条駅まで移動。途中、江戸時代の富士山信仰の名残である「富士塚」のある「十条冨士神社」に立ち寄る。富士山の溶岩で作られたというこの富士塚は、登ると「本家に登ったのと同等の御利益が得られる」のだそうだ。

今日の模様は、濱津隊員のリポートで多数の写真として紹介されているので、そちらも併せてごらんください。いや~、今日は遠足気分も味わえて楽しかったなぁ。

ABOUT ME
竜超
1964年、静岡県生まれ。『薔薇族』二代目編集長。1994年よりゲイマガジン各誌に小説を発表。2003年より『月刊Badi』(テラ出版)にてコラムを連載。著書に『オトコに恋するオトコたち』(立東舎)『消える「新宿二丁目」――異端文化の花園の命脈を断つのは誰だ?』、『虹色の貧困――L・G・B・Tサバイバル! レインボーカラーでは塗りつぶせない「飢え」と「渇き」』(共に彩流社)がある。