酢豚探偵の町中華備忘録 新宿区神楽坂の巻

4月26日10時45分 東京メトロ神楽坂駅前集合
参加者/北尾トロ、下関マグロ、中西庸、えのきどいちろう、竜超(+ゲスト3名)

竜超です。この日はトロ隊長が長年住み慣れた杉並・西荻窪から新宿・神楽坂へと事務所を移すのである。じつは神楽坂はちょうど1年前、ボクが町中華探検隊入りをトロ隊長にお願いした街なので、なにやら因縁めいたものを感じるなぁ。

ボクとマグロ隊員は引っ越し作業を手伝うべく、現地で待機していた。落ち合ってほどなく、赤帽トラックが到着。路上にあまり長く停めてもおけないので、さっそく運び込みにかかる。あまり重いものはないが大きいものがいくつかあり、、搬入先がエレベーターのない古いビルの3階で階段が狭いので、ぶつけないよう入れるのにやや苦労する。それでもテキパキと作業が進み、思った以上に早く終わった。正午前にはもう仕事を始められるくらいまで出来上がり、一同ホッ。

ひと通り終わって小休止。建物は古いが、1フロア1部屋という贅沢な作りで、窓も四方すべてにあるので気持ち良さげ。坂の一番上にあるので、周囲の建物を頭上から見下ろせる窓もある。トロ隊長はきっとこれから、ガウン姿でブランデー片手にそれを眺めながら、ちょっとした支配者気分を味わうに違いない。お茶を飲んでいたら中西隊員と、新加入のえのきど隊員がやって来る。なので、えのきど隊員オススメの町中華「龍朋(りゅうほう)」へ行くことに。

時間はすでに13時を回っていたが、龍朋は大変な人気店だそうで、8人が入れる可能性は低いそうだ。なので、「ダメならどこか別の店へ」という感じでダメ元で出かけたが、なんと奇跡的に8席空いていた。これはトロ隊長への天からのご祝儀か? 過半数のメンバーが、えのきど隊員が絶品と評する「炒飯」をオーダーする中、トロ隊長は「とろろラーメン」(ちょっとした共食い)、マグロ隊員は「りゅうほうめん」、ボクは「みそラーメン」を。

みそラーメンはたんめん並に野菜たっぷりで、スープもあっさり目。わりとヘルシーな感じ。人気の炒飯も、女性が食べきれなかった分を少し食わせてもらった。口に含むとチャーシューの香ばしさがまず来る。食べ進めてもパンチの効いたチャーシューの味は衰えず、「これは炒飯でありながら、ほとんど肉料理だな」と感じた。

今回は「引っ越しそば代わり」ということでトロ隊長のおごり。せっかくだからと、今日の油流しは新事務所で行なうことに。帰り道で、「いや~、めっちゃ近いですね、龍朋。これだったら事務所から店まで息を止めて行けますよ」と言ったら、「なんで息を止めて行かんとならんのだ」と至極もっともな意見を頂戴す。すんません、基本的に発想が小学生な五十代なんで。

新事務所をシェアする女性が買って来てくれたアイスコーヒーで油流し。

室内は「とってもオシャレなリノベーションカフェ風」だが、探検隊の濃ゆい面々がそこにいると、なんか「ポップな阿片窟」のようでもある。さて、今後はレポTVもここから発信していくわけだが、それがどのように作用するのか今から楽しみだ。

ABOUT ME
竜超
1964年、静岡県生まれ。『薔薇族』二代目編集長。1994年よりゲイマガジン各誌に小説を発表。2003年より『月刊Badi』(テラ出版)にてコラムを連載。著書に『オトコに恋するオトコたち』(立東舎)『消える「新宿二丁目」――異端文化の花園の命脈を断つのは誰だ?』、『虹色の貧困――L・G・B・Tサバイバル! レインボーカラーでは塗りつぶせない「飢え」と「渇き」』(共に彩流社)がある。