ぶん華@神保町 半澤は思い出した。2015夏、渋谷

MCT4/22(金)
本日は7人も参加!
実は町中華探検隊には名簿がある。No.40まで隊員がいるわけだが、本日は1号〜7号まで揃い踏みとなった。

せっかくなので点呼をとっておけばよかった、と後悔。

参加者はトロ隊長、マグロ隊員、半澤、増山隊員、竜隊員、みみこ隊員、和貴隊員
総勢7人で神保町アタック。
いつも3-4人だからドラクエⅡのみたいだが、7人となるとドラクエⅢのパーティ感が出てくる(あ、意味がわかる人だけわかればいいっす)
つまり、町を練り歩くのもなんかより楽しいってこと。

神保町はしょっちゅう行っているけど、行っていない町中華も多い。
半澤はもともとターゲット店があったが、
マグロ隊員のつくったカンペキなマップ順に、神保町駅を中心にグルリ、反時計回りで一周。実に11店舗とかなりの数。

①伊峡

半チャンラーメンの有名店で赤いカウンターがトレードマーク。以前食べにいったときはアイドルタイムで空いていたが、昼時の本日はかなり混雑。入り口が2つあるから、
どっち向きから拝むか悩むね、
とはマグロ隊員の弁。
僕はこっち派。
紫の暖簾が渋いのです。

②光華飯店

かなりお値ごろ価格という印象だった光華飯店。昔ながらな感じですが、ジャージャー麺が有名みたいです。

③大興

ここに中華店があることを知らなかった!
写真を撮ったら怒られた、
とは和貴隊員。増山隊員いわく取材拒否店だそう。半澤は見逃したが30代と思しき美人店員が厨房にいるという。そこも含め押さえておきたい店です。

④北京亭

はい、ここが今回の半澤のターゲット。何度も前は通っていたけどタイミング合わず入れておりませんでした。マグロ隊員は隠しメニューのカレー&カレーラーメンが有名なのだと教えてくれた。有名ならば「隠し」じゃないが、カレーはメニューには載っていないのだ!

⑤さぶちゃん

元祖半チャンラーメンの店。神保町町中華を語るうえで、外せないのがこの店。が、まだ未踏。以前、定休日か何か開いてないタイミングに来てしまい、ご近所の「いもや」で天ぷら定食をおいしく食って帰った記憶がある。

⑥ぶん華

竜さんにオススメですよ、
とマグロ隊員。
大盛りの店らしい。経験者の増山隊員も、すごかったと語る。1950〜と歴史はすごくあるがシックな外観が好印象

⑦中華百番
みみこ隊員へのレコメンド店だとマグロ隊員が言っていた店だが、無念。閉店とのこと。1回に1軒は、閉店店舗に出くわすなあ。
この店を探していたところ、近所のおじさんに声をかけられる。
ヘローヘロー、どこいきたいの?
とおじさんは、日本人優しいから教えてあげるよ、と続けた。完全に外国人観光客に間違えられた模様。平日昼間にオフィス街をふらついていたら、そうなるわなあ。
帽子が観光客っぽいんだよ、
とトロ隊長。
半澤君のキャップは富裕層じゃない人っぽいね、
と竜隊員。なんだろう、この婉曲表現が、今日一番胸に刺さったw

⑧成光

赤くていかにも中華という外観。「専大前」交差点からも見える。
さぶちゃん、伊峡とともに半チャンラーメン御三家を形成する老舗。

⑨三光園

駅前の有名店。夜にしか来たことがなかったが、昼ランチもお得感ありそう。
以前、何を食べたかは忘れたが、何食べても安心の実力派という印象だ。

⑩康楽

康楽外観はタテ位置がハマる。昨年取材に行ってお世話になった店。おかみさんはじめ、みなさん優しすぎて涙。必ずまた行くけれど、本日は行ったことのない店に行くので、後ろ髪引かれる思い出後にする。

11スイートポーズ

いわずと知れた餃子の名店。餃子店なので町中華かどうかというと、少し難しいところだが、この外観のかっこうよさと名前の素晴らしさは文句無し。
私、ここでいいですか、
と堪えきれないみみこ隊員が吸い込まれていった。

さて、どうしますかとほかの隊員は円陣を組む。僕は第一志望の北京亭と思っていたけど、マグロ隊員の言っていた裏メニュー、カレーのことが気にかかっていた。昨夜カレーうどん(自炊)を食ったばかりだったのだ。
うぬー、行くからにはカレー食いたいし。んでも、昨日食ったし。
悩んでいたら、横から竜隊員。昔から気になっていたチャイナあるからそこが候補だが、そうでなければ北京亭、とのこと。
うぬー(2回目)。北京亭はいつでも行ける気するしなあ。
こういうテンションじゃないといけない店へっていうことで
半澤はそれまで候補にも入れていなかった大盛り店「ぶん華」をチョイス。
「さぶちゃん」を指名した増山隊員と歩く道すがら、
恥をしのんでも「小盛りにしてください」って言った方がいいよ、と釘を刺される。
そんなに大盛りなの。そこまで言われたら逆に小盛りにするなんてできないじゃないか。

ということで

ぶん華へ入店。
ボードの一番うえにある看板メニュー(そのうえにあるphもそれ)
ぶん華ランチ700円一択

13時すぎだが、ポツリポツリ人が入ってきて
けっこう混雑。わたしと一緒に入った二人組も
迷わずぶん華ランチをチョイス。どうやら常連らしい。
さあ、どんな大盛りでもかかってこい。と、みなぎる闘志。
横で上がる炎、え、炎?上がりすぎじゃないですか

ものスゴイ火力で作られた、ぶん華ランチがコレ

わかりにくいっすね、サイズ感がイマイチ伝わらんかも
ならば横から

こう見るとかなり立体的。
チャーハンにチンジャオロースー風のあんかけがどさっとのっている
肉は少なめ、野菜多め
両者めちゃくちゃな量で、皿からはみださんばかり、いや、一部はみだしている
このチャーハンがこの店のデフォルトメニューで、
カレーと一緒に盛られたカレーチャーハンなどもある。
上物が変わるだけだがいろんなバリエが楽しめるわけだ。
キクラゲライス頼んでた人もいたなあ。いい名だ。
麺類もあるが、どのテーブルの男たちもライス系を注文、
みんなハフハフ言いながら水をおかわりしていた。

実食開始から5分経過。

半分も減らない。
思い出すのは砂山に棒を立てて、倒さないように砂をとっていくあのゲーム、
あれなんていうんだっけ。
とにかく、山をくずすように少しずつ掘り進む。
あんかけ部分にはなかなか箸がむかない。
熱いのだ、とにかく熱い。
あ、これ、アレとおんなじだとここにきて気づく。
2015年夏、猛暑の渋谷「仙台や」で竜隊員、中西隊員のアシストがあってはじめてクリアできた
中国丼(あんかけがドバっとかかった大盛り丼)
別盛りになっているだけで、破壊力は同等。
これみんなでシェアして食うやつやん。

とはいえ、以外とスルスルいけて、あれこんなもんなの?くらいの感じで
実食からわずか11分で完食。

青い帽子を添えてさながら、劇場版ナウシカのラストシーン(あ、意味がわかる人だけわかればいいっす2回目)。

いや、余裕だったすよ、そうすね、あのくらいならラクラクすよ、
と喫茶店に行く途中合流したマグロ隊員と和貴隊員に大きい口を聞いた半澤だったが
きつかったのはこの後だ。

じわじわと腹がいっぱいになってきたのだ
口を開けば、はあお腹いっぱいとつぶやき
襲われる強い眠気。

油流しでも流しきれない何か
いやいや、何かではなく化学調味料だな
を、腹にたっぷり抱え帰路につく。
口の中がまだピリピリっと。
戦後の日本を支えてきたものの正体は間違いなくこれだ。

最寄り駅到着後、意味もなくふらふらと古本屋を数件めぐる
歩きたかったのは、とにかく満腹だったから。
あれから数時間、まだまだお腹は減りそうにないし、胃の奥からピーマンの匂いがする。大盛り店は、料理を見るだけで面白いからたまに挑みたくなるけど
一人で行くとかなり大変だなあ。
ああ、お腹いっぱいとひとりごちながら、家でも油流しのコーヒーを飲む。
ピーマンの匂いがする。

文 半澤則吉
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ぶん華
東京都千代田区神田神保町2-10

ABOUT ME
半澤則吉
半澤則吉(はんざわ・のりよし) 1983年、福島県二本松市生まれ。学習院大学卒業後、印刷会社勤務を経てフリーライターに。人・食・物・旅についてあらゆる媒体で執筆する。朝ドラを中心にドラマ記事を書く朝ドラ批評家、ドラマライターでもある。