復刻間近の「味噌ラーメン」を試食してきた@お茶の水、大勝軒

故・山岸一雄氏が遺した町中華メニューの復刻に
力を注いでいる「お茶の水、大勝軒」が、
いよいよ味噌ラーメンを販売するというので試食させていただいた。
縁あって、完成を目指す同店の田内川代表が
味噌や七味などの最終調整や仕入先との契約で長野市を訪問した際、
同行することができた(おもに運転手)ので、
どういう味にまとまったのか興味津々であった。
田内川さん(左)と丸長のれん会の坂口光男会長(右)を味噌ラーメンがうまい店に案内
        いうまでもなく、味噌ラーメンは味噌が味を決定する。


信州味噌と北海道味噌を合わせるのだが、ブレンドが難しい。
「お茶の水、大勝軒」のらーめんスープとの相性もある。
待つこと数分、運ばれてきたのは濃い茶色のスープが
たっぷり注がれた一品。どこからどうみても
味噌ラーメンそのものである。
具材はチャーシュー、メンマ、もやし、コーン。
スープは見た目同様、濃厚だ。
強い味、と言いたくなるほどガツンとくる。
信州味噌が前面に出ているが、山岸氏は長野県出身であり、
これは納得できる。また、味噌蔵は山岸氏指定のところであり、
再現性は高いのではないか。
「ないか」と書いたのは、田内川氏ですら”その味”を
実際に食べたことがないからだ。山岸氏が遺したレシピは
メモ書き程度のもの。そこから想像力を働かせて
作るしかないのである。
しかも、いまの客に通じる味でなければならない。
だからこそ試行錯誤するのだし、誰も知らない
“元の形”を追い求めていくというのが
復刻プロジェクトの醍醐味でありおもしろいところだ。
上から見るとこうなる↑
濃厚スープは途中で飽きるのではないかと思ったが、
杞憂に終わった。麺との絡みがよくて、汗をかきながら完食。
食べた人の感想を聞きながら微調整していく
段階だったので、おそらく本番では、
もう少しだけあっさりめにして
提供されるのではないかと思う。
具材もこれで決定ではないそうだ。
山岸氏が提供していた味噌ラーメンにコーンが乗っていたとは
思われないので、今風にアレンジされた部分だろう。
試作はこれで行くが、商品として登場するとき
コーンが乗っているかどうかは定かじゃない。
「ほうれん草とかも違うと思うんだよなあ」(田内川さん)
さて、どうなることやら。
完成形は各自確かめに行きましょう。
ABOUT ME
北尾トロ
北尾トロ(きたお・とろ) 1958年、福岡県生まれ。法政大学卒業。裁判傍聴、古書店、狩猟など、体験をベースに執筆するライター。『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』『猟師になりたい!』シリーズなど著書多数。長野県松本市在住。