MCT@小岩 ニュー大龍編

7月21日(火)
本日も灼熱のもと
町中華探検隊スタート@小岩駅 参加者はマグロ隊員、 増山隊員、半澤の3名

今回の探検地域が、小岩と決まった時点で
一店紹介したい店を思い出した。
先刻増山隊員がライブ投稿されたラーメン餃子三平だ。
昔友人が小岩に住んでおり
ここは何度か訪れた記憶があった。
詳しくは増山隊員の投稿をご覧いただきたいが
僕は当時町中華というよりも昼から呑める素敵なお店という認識だったと思う。
ぜひ、また来たい、そして呑みたい。

マグロ隊員も、情報を持っていた店があるという
名を「かっぱ」という。素晴らしい名前だ。
これも詳細はマグロ隊員の投稿を待つことにしたい。

そう、今回も3店舗制圧を試みることになった。
が、3つ目の店は見当もつかない。
というわけで、我々は歩いた。
敢えてスマホでググったりせず
ぐるなび見たりせず、足で稼ぐ。
これぞ探検隊の本領だ。

で、発見したのがコチラ。
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中華料理の店河井
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本格中華を気軽に味わっていただきたくて・・・
の煽り文句がスゴい。
気軽に味わっていただきたいという気持ちだけで
店は開けないだろう。
何年間、いや何十年もの汗と涙の修業期間にはまるで触れないが
“本格”の2文字がその自信の大きさを物語っている
が、コチラ
火曜定休無念。
また来ます。

そして、我々がたどり着いた“3軒目”がこの店だ。
new居酒屋風中華屋ニュー大龍

13時前にしてこの電飾、そして2体のジャビット君、そして味があり過ぎる手書きメニュー
ツッコミどころ満載過ぎる
なんか面白そうなので、僕はここを選ばせていただいた。

以下メニュー

menu1menu2
ナポリタン、オムライス、とんかつ定食
お手本にしたいほどのメニュー設定だがコスパの良さも光る。
半チャンの半澤(今後この言葉が定着しますように)としては
やはり……

set焼肉丼×半ラーメン これでなんと700円
かなりお得感あるなあ。
この文章は、このセットを食してから6時間後に書いているが
まだ全然お腹がへりませんわ。

写真からは想像つかないだろうが(本日は一眼レフを忘れちまいました、すいませんしたー)
意外にも薄味。で、ラーメンは甘めという特徴をもっていたが非常にたべやすかった。
(後にマグロ隊員、増山隊員とも意見が一致したが、小岩は薄口みたい、街により傾向があるのならばかなり面白いし、あってしかるべきだとも思いました)

で、気になったのはなんと言ってもその名前だ。
「なんで“ニュー”なんですか?」
聞いてみると親父さんは笑顔で教えてくれた。
「前は大龍だったんだよ、ちょっとだけ移動して名前変えたんだ」
話によれば営業開始から30年で現在地に引越し(といってもご近所から)
そのタイミングで「大龍」から「ニュー大龍」になったのだという。
前回うかがった押上の「甘太樓」が職種を変えてまで名を変えなかったのに対し
こちらは引越し理由で「ニュー」を付けた。両者ともにそれがいい味になっているのが面白いですな。
のれん分けとか、代替わりなんかで「ニュー」を冠していたのかと想像していたが
この「ニュー」には店主の強い気概を感じる。やる気が漲っている。
小岩の少年野球チームを指導し(あるプロ野球選手はその縁もあり、ドラフト当日のお祝いをニュー大龍で開いたとのこと)数十年。公私ともにどっぷり地元に浸かった親父さんの店は
朝の3時まで開いているという。
「呑む人は…… 多いね」
彼のそんな言葉が胸に残った。一品料理も豊富で、酒も出すし、呑む客はもちろん歓迎だが、
あくまでうちは中華屋だよ。そんな心の声が聞こえてくるようにも思えた。
来年40周年を迎えるという、ニュー大龍。つまりニューになってからも10年経過しているのだ。
常連客が後ろの席でわめく
「ああ、外でたくねえ」
真っ昼間なのに明らかに呑んでいた。これぞ土着中華。

店を背にしながら僕の頭の中には映画『ニューシネマパラダイス』のテーマソングが流れた。
エンニオ・モリコーネによる美しく切ない旋律は
「ニュー大龍」の素朴さ、豪快さとはかけ離れたものかもしれない。
それでも「ニュー」にかける店主の思いは「ニューシネマパラダイス」で語られた
情熱やドラマに等しいものに違いない。

そして今回は大きな収穫があった。
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大龍時代のステッカー、なんと無料配布中。男前だ。
これは大事な資料として、MCT共有財産として保管させていただきます。

居酒屋風中華屋ニュー大龍
東京都江戸川区南小岩5-18-1503-3659-5040

11:30~14:00、16:00~AM3:00

文・半澤則吉 

[隊員による追記]
灼熱の午後、夢遊病者のように街を歩く探検隊の姿が
活写されている半澤レポ。
しかし夏は危険だ。
先日も下関隊員と30分間、御徒町をさまよったら
頭がぼーっとし、体調を崩したくらいである。
隊員はもちろん、町中華愛好家諸氏も、この時期は
ある程度狙いを絞って店探しをするのが良いと思う。

あと探検アイテムとして日傘買おうかなあ。
扇子じゃ追いつかんでしょう東京の暑さは。
                          (北尾トロ)

ABOUT ME
半澤則吉
半澤則吉(はんざわ・のりよし) 1983年、福島県二本松市生まれ。学習院大学卒業後、印刷会社勤務を経てフリーライターに。人・食・物・旅についてあらゆる媒体で執筆する。朝ドラを中心にドラマ記事を書く朝ドラ批評家、ドラマライターでもある。