安信屋@御嶽山

池上線の御嶽山という駅に午後7時ごろついた。
この日は宮崎で取材をし、羽田から直行。20時から別の取材がある。
谷間の時間だ。
空腹感はないが、土地勘のない駅に降りたら中華を探すのは当然。
1軒だけ発見できたのが「安信屋」だった。
ぼくはそれほどラーメン好きではないのだけど、
風が強くて寒いし、汁ものが食べたいと思う。
値段はわりかし強気で最安のラーメンが550円。
定食類は800~900円というところ。
入店し、炒飯セットを頼む。
ラーメンと何を組み合わせるかでセット名が決まり、
ほかに餃子セットなどがあった。
これといって特徴のないルックスと味である。
スープが冷めてるように写っているが、実際少しぬるめであり、
炒飯ともどもパンチに欠ける薄味である。
しかし、さ。
ぼくがこの店に入ったのは食事のためだけではない。
待ち合わせ時間までホッと一息つきたかった。
テーブル上には灰皿が置かれていたが、その近くに
こんなお願いが書かれていた。
当店は一日中喫煙可だけれども、近くの席に
子供がいるときには遠慮してくださいね。
ぼくの近くには母子で来店していた常連客がいて、
食べ終えてもなかなか帰ろうとしない。
「安信屋」にも子供がいるようで、
客のことは幼馴染のようだった。
途中で店の子も出てきたんだが、
出入りしているのがぼくの席の前にあるドアからで、
ちらっと見えた感じだと、ドアから通路を通って
自宅につながっているようだった。
ここはちょっとしたビルになっているので、
たぶん自前の物件なんだろう。
生活を感じたね。
悪くない。まったく、こういうのも悪くない。
19時40分に勘定を済ませ、駅に行く。
待ち合わせは50分だったが、事故か何かで
電車が遅れて待つはめになり、
ラーメンで得たぬくもりは、あらかた消えてしまった。