いわゆる赤い暖簾を出していないそのお店は、青いタイルと白い窓枠を構え、なんだか老舗純喫茶の風情があって。さすが神保町。
前に町中華探検隊でも来たことがあったが、その時は別のお店に入ったんだった。
ようやく今日、オトメ部の3人で来ることができたよ。
さぁ、小さな路地裏にひっそり佇む、その白窓の向こうへ。
昔の喫茶店のような居酒屋のような、気取らないテーブルと椅子がたくさん並んでいた。
いわゆる中華料理屋の赤いビニールのテーブルや椅子などではなかったが、
町中華の”とりとめない日常”の活気がそこにあった。
厨房には、女性が1人。
外をやりくりするのは、オジサマが1人。
とても忙しそうだ。
セルフでお水を汲むお客さん、麺を掻き込むお客さん、お会計をするお客さん、
その合間をくぐり注文を取るオジサン。
私たちは一番奥に座ったものの、なかなか注文できずタイミングを逃してしまった。
その隙に店内をグルリと見渡す。
客席と厨房を仕切る食器棚に、たくさんのグラスが並べられてる。
壁際には日本酒のボトルがたくさん。
夜は飲み屋になるんだろうな。ああ、イイね。
食器棚も今はないような作りで、昭和レトロなキブンが盛り上がる。
お昼のメニューは、定食が4種と、日替わり(麺と半チャーハンのセット)が1つ。
ようやくオジサンをつかまえて、オーダーした。
オトメ部としては、1人1品ずつの他に、壁メニューの『エビマヨ』も足したかったのだけど、「それは夜だけね」と断られた。
なので、ホワイトボードメニューから、A、B、日替わりで。
あえて茄子を選んだら、オジサンに「え? 茄子でいいの?」と拍子抜けされた。
あんまり茄子を頼む人はいないのかな…?
辛めでとろみ部分が多い。ゴハンに合うね。
こちらBの『賄いハンバーグ』。
”賄い”って言葉に惹かれるね!
しかも中華屋さんでハンバーグ!
分厚く大きなハンバーグで洋食屋のような味がしましたよ。
周りの人もたくさん頼んでいました。
持ってくるときに「はい、チャンポンね」と言っていた。
はは〜ん、チャンポンのことでしたか。そういうことか。いや、いいんです。
無言で3人で目を合わせ頷く。
コレ、麺が太い。細いうどんくらい太い。
自家製麺っぽいっていうか、食べ応えあって美味しかったです。
さて、白窓の中は堪能したし、そろそろ出ますか。
お店を出ると、小さな白窓が半開きで、中からもうもう水蒸気が出ていた。
厨房につながるその窓は、いつも開けられていて思わず覗きたくなる。
覗くと、忙しく働くお姉さんがチラっと見えた。
なんだか平和だナ。
油がしみついたその白窓、いつまでも毎日開いていてほしいナ。