竜超のMCT備忘録 堀切菖蒲園アタックの巻

12月15日(火) 京成本線「堀切菖蒲園駅」改札 12:30集合
参加者◎北尾トロ、下関マグロ、半澤則吉、増山かおり、asuka、竜超

本日はMCTの年末イベント「堀切菖蒲園アタック」なり。このエリアは、限られた範囲内に要チェック町中華が10数軒固まっているということで、メンバーを集められるだけ集め、総がかりで探検していくのである。

できれば10人以上でぶつかりたかったのだが、残念ながら師走の平日ということで、通常メンバーはボクを含めて5人しか集まらなかった。その代り、先日のトロ隊長のサイン会に来て町中華愛を熱く語ったというasukaさんが特別参加す。

全員でひと通り見て回った後、それぞれが行ってみたい店を自己申告。ボクはやたら美味しそうなポスターが目を惹いた店にさせてもらった。

店の名は「大八元」。麻雀の役の1つに「大三元」というのがあるが、果たして底と関係があるのだろうか? その謎を聞いてきて欲しいとのリクエストを背負いつつ、ボクはノレンをくぐったのであった。

店内はカウンター席と大きなテーブルが3つ。買い物帰りと思しきオバサンたちがテレビを観ながらランチを食べていた。どうやら常連さんたちが集まる「くつろぎの場」的な店らしい。けれども一見の客を拒むようなムードはなく、自然な感じで席につけた。

店は品の良いおばあちゃんとおじいちゃんが2人で切り盛りしていた。ボクは「とんかつ定食」880円を注文。オーダーを済ませて、壁に貼られたメニュー表を見れば、銀ダラとかシシャモとかサバ味噌とかもあり、サワー類も充実しているので、「ファミリー居酒屋」的なところのようだ。

飲み物の候補をいくつか提示されたので「ウーロン茶」を頼むと、氷入りの1杯が来た。ここまではフツーだが、そのあとなんと2リットルのペットボトルがどんと置かれ、「お好きなだけどうぞ」みたいな感じに。なんちゅう太っ腹!

そしていよいよ「とんかつ定食」のおでましなのだが、これがまたゴージャス! 千切りキャベツたっぷりのとんかつ、ちょうどいい炊かれ具合のご飯、豆腐と菜っ葉の味噌汁…と、一般的なとんかつ定食ならここまでだが、こちらの場合はさらにミニサラダと3種の漬物(キムチ、白菜漬け、ミックス浸け)がたっぷり盛られた小鉢がつくのだ。しかもサラダ用のドレッシングは5種類も並んでいる。あまりに色々と並んでいくものだから、ボクはちょっと可笑しくなって半笑いになってしまったほどだ。

とんかつも美味いよ。薄めだけど箸で切れるくらい柔らかい肉で、とってもジューシー。味噌汁も濃厚だし、漬物もシャキシャキで脂っぽさを中和してくれる。

食べながらふと思った。これは「外食をしに来てる」というより、おじいちゃんおばあちゃんの家に来て、お昼を出してもらってる感じなのだ。「これもお食べ」的に色々並べてもらってるイメージで、なんだかとっても幸せな気分になったのであった。

会計時、店名の由来を聞いたら、「身内の名前の一文字をくっつけた造語」なのだという。「よく訊かれるんですよ、変わった名前だから」とにこやかなおばあちゃん。う~ん、近くにあったら確実に通ってしまうだろうな、ここ。そのくらい素敵でした。店も料理も。

店を出て、合流して油流し。しかし皆が最初に入った喫茶店は「14:30オーダーストップ、15:00閉店」という健全すぎる店だったので、近隣にある「ブラジル」というコーヒー店に移る。今日は皆、満足度の高い店にあたったようで、いつになく表情が輝いていた。

コーヒーブレイク後、付近にある「立石バーガー」という知る人ぞ知る名店に立ち寄り、カスタムバーガー(300円)を食べる。美味い! 可愛いストラップも買ったよ。

せっかくだから腹ごなしに歩こうということになり、北千住までテクテク。駅構内で解散す。

ABOUT ME
竜超
1964年、静岡県生まれ。『薔薇族』二代目編集長。1994年よりゲイマガジン各誌に小説を発表。2003年より『月刊Badi』(テラ出版)にてコラムを連載。著書に『オトコに恋するオトコたち』(立東舎)『消える「新宿二丁目」――異端文化の花園の命脈を断つのは誰だ?』、『虹色の貧困――L・G・B・Tサバイバル! レインボーカラーでは塗りつぶせない「飢え」と「渇き」』(共に彩流社)がある。