浅草観音裏の正統派町中華「太陽」

浅草の千束五叉路には、三箇所に町中華がある。
かつて、業平橋の中華トライアングルがあったが、
ここにもトライアングルがある。
そのひとつ、いちばん老舗そうなのが
まず、見て欲しいのは暖簾だ。
アーチ型になっているのは、横から見てもわかるようにだ。

この日はお酉さまで、人通りが多かった。
迷わず入店。

なかからはこんなかんじ。
先客が僕よりも二回りくらい上の老夫婦。

うーん、悩んだ末に「もやしそば 750円」をオーダー。
やってきたのが、これ。
あんかけですね。お肉、けっこう入ってます。
脂身のついた豚肉。
スープがおいしい。優しい味。
厨房にかなり高齢の男性が2名。若手の男性が1名。
太陽という刺繍が入った服を着用。
老夫婦が出て、僕よりひとまわりくらい上の女性が入店。
僕と同じカウンターに着席。
「ラーメンください」とおっしゃり、続けて
「薄味にしてください。。。あの、血圧高いので」
とおっしゃっていた。
しばらくして、ラーメン550円が提供される。
ああ、いいかんじだ。
お会計のとき、高齢の店員に
「こちらのお店長いんですか」と聞けば、
「ええ、60年です」と笑顔になった。
「たしかに、60年の味がしますね」
と店を出る。入れ替わりに僕と同世代のカップルが入ってきた。
今日は、お酉さまで、熊手を持って歩いている人が多い。
そして、次に行くのは、この手前のお店か、
この先に見えているお店。

ABOUT ME
下関マグロ
下関マグロ(しものせき・まぐろ) 1958年、山口県下関市生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社勤務を経てフリーに。北尾トロ、竜超と共著で『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(角川文庫)。CSテレ朝チャンネル『ぶらぶら町中華』にトロと出演中。