「中華料理 豊龍」さんの“モヤシメン” そして五叉路の中華トライアングル総括

千束五叉路の中華トライアングル。
「太陽」「中華 カド」ときて、
最後は「豊龍」さん。
アピールがスゴい。
気合の入った看板だ。
ラーメン、味噌ラーメン、餃子、チャーハンに自信か。
暖簾がいい。
入店。先客なし。カウンターだけのお店。
カウンターの隅におやじさんが座って新聞を読んでいた。
「いらっしゃい」と言いながら、カウンターから厨房へ。
頭上のメニューによれば、
ラーメンは550円。
おやっ。
たしか、「太陽」は550円。同じ価格。
そして、「中華 カド」が500円。
微妙なパワーバランスか。
これまで、「もやしそば 750円」(太陽)、
「モヤシソバ 650円」(中華 カド)を
食べてきた。できれば同じものを食べたい。
こちらのお店では「モヤシメン 700円」というメニューがあった。
メニュー名が微妙が違うのもいいね。
というわけで、モヤシメンを注文。
店主が「おい」と厨房奥に声をかける。
奥さんらしき方が出てきて、
麺を茹で始めた。
麺を茹でるのは奥様の担当らしい。
テレビは「メレンゲの気持ち」。
石ちゃんが勝浦担々麺を食べている。
おやじさんが反応して、
「すごいねぇ」
「辛いんだろうね」
などと言っているので、
「こちらのお店ではああゆうの出さないんですか」
と聞いてみる。
「そりゃだめ、そりゃ一時的にはいいかもしれないけど、
長続きはしないよ」
とおやじさん。ここは長そうですね、どのくらいですかと聞けば、
おやじさんは「50年」と答えた。
奥さんが、「いっときは広尾とここ、二店舗やってたんだから」
とのこと。
60歳くらいのジャージ姿の男性客がやってきてラーメンを注文。
カウンターの上にいっぱいコインを並べ始めた。
ほどなく、モヤシメン到着。
カウンター越しに「熱いですよ」と提供される。
スープは、3店の中ではいちばん力強い。
餡かけタイプだね。餡は弱め。
しかし、もしも竜隊員がこのモヤシメンを食べたら、激怒するだろう。
肉はいっさいないのだ。
モヤシにニンジンが少しというかんじ。
麺は細めストレート。
やわらかめの茹で加減だ。
隣の男性のラーメンもやってきた。
いいかんじだ。550円なら安い。
男性、さっき並べたコインから
550円を先払い。そして、ラーメンをひとくちすすると
「うまいねぇ」とご主人に声をかけた。
「なんせ、15年ぶりだから」とのこと。
どこか別世界に行ったいたのだろうか。
いろんな意味で浅草的だ。
40代くらいの男性客がやってきた。
メニューを見ながら長考。
「モヤシメンと餃子」を注文している。
餃子は550円。
さて、3店舗のモヤシそばを食べた結果。
もう一回食べたいのは、「中華 カド」さんかな。
価格も一番安いしね。
他のメニューもぜひ食べ比べてみたい。
それにしてもこの3店舗。『太陽』には
若い人がいたけれど、総じて高齢化が進んでいるね。
今のうちにいろいろ行っておきたい!

ABOUT ME
下関マグロ
下関マグロ(しものせき・まぐろ) 1958年、山口県下関市生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社勤務を経てフリーに。北尾トロ、竜超と共著で『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(角川文庫)。CSテレ朝チャンネル『ぶらぶら町中華』にトロと出演中。