増山です。最近運があまりよくないのですが、町中華運だけには恵まれているようで、
神奈川県の本厚木にて、また素晴らしい店を見つけてしまいました。
外観を見た瞬間、使命感に駆られました。この店は、取材しなければならぬ!
この胸踊る外観!
引き戸をガラガラと開けると、店がやたらと暗い。電気が、ついていなかったのだ。
あのー、入って大丈夫ですか??と聞くと、ご主人が笑顔で迎えてくれて、電気をパチッとつけてくれた。
あんた、そんなに背高かった?
と聞かれたのだが、
どうやら常連さんと間違われたようだ。嬉しい。
席につくと、温かい玄米茶を出してくれた。
奥の席には、ケロッグの玄米フレークがもたれかかっている。
この店は外観も素晴らしかったが、内観もまたそれを上回る興奮を与えてくれた。
まあまあ海に近いからなのか、窓には貝殻があしらわれている。
窓際のボトルシップの中には、品香亭のマッチと
店頭を模したような工作が。
その後ろには、おそらくこのボトルシップ作者とは異なる人物により置かれた
怪物のようなフィギュアがある。
それ以上に心を奪われたのが、このアートだ。
にんじんのヘタを栽培。
器になっているのは、おそらくバスクリンのフタであると思われる。
窓辺にはこうした置物がずらりと並び、
奥さんの趣味と、お孫さん?の趣味がないまぜになっているような気配を醸し出している。
こういったものを「町中華アート」と名付け、今後も注目していこうと思う。
三種の神器が全て揃っている!!
メニューは裏表あるが、どちらも同じようだ。
ただ、微妙にデザインが異なっている。
よく見ると、窓際のドラえもんも丁寧に台座に置かれている。
これに気づいたところで、厨房からジュッと音が響いた。
餃子が運ばれてきた。
遅くなってごめんね、と言いながら運んでくれるご主人がかわいい。
この並べ方は極めて珍しいのではないだろうか。
餃子はぷるぷるした薄皮で、焼き目はサクサクだ。
挽肉、キャベツ、ネギのバランスがまさに王道。ニンニクはわずかに入っている?
水のように体に染み込む、20年前から知っているような味だ。
全体的に頼りない感じの食感なのだが、焼き目はサクサクとしていて、妙にウマイ。
サイズに少し個体差があるので、店で包んでいそうな気がします。
餃子を食べ終える頃、鶏焼きそばがやってきた。
この美しい盛り……もしや、この店は実力派なのではないか??
塩味のあんにはダマもないし、にんじんだけ硬かったりきくらげがぐちゃっとしていたりということもなく、
軽く炒めた麺と具のバランスもすごくよかった。
さっきの餃子のように、初めて食べた気のしない味だ。
途中で、野球帽をかぶった60過ぎと思われる男性のお客さんが入店、
春のセンバツが流れるテレビの前で、タンメンを食べるおじさんと空間を共有して過ごした。
餃子も鶏焼きそばも、あまりに自分の口に合うので、
カツカレーも持ち帰りで頼もうかな、と思ったのだが、
ご主人が火を落としている気配を感じたので、次回のお楽しみにとっておくことにした。
きっとこれはただ者ではない!と思い、おやじさんに店の由来を尋ねてみたところ、
このお店はもう開店して50年になり、
その前は品川プリンスホテルの上にある中華レストランで20年ほど働いていたとのこと。
当時は品川には今のような商店はなく、
森が広がっていたそうだ。
こっそりホテルのプールで泳いだこともあったという。
その前?には、同じく品川にある「さいこうてい」というお店でも働いてらしたそうで、
おやじさんいわく、勉強が嫌いだったからお姉さんのやっている店にもぐりこんだそうだ。
今では息子さんが店主になっているとのこと。
品川 さいこうてい 中華 で検索したところ、
菜香亭(http://s.tabelog.com/tokyo/A1316/A131603/13020963/)が出てきたので、確証はないのですが記します。
この素晴らしき店の余韻に浸りながら、
本厚木までの帰り道、ひとりMCTをしました。
これは町中華でしょう!「ラオシャン」。
写真を撮っていたら店内のご婦人と目が合いました。のれんがビニールっぽい素材で、長めなのが珍しい。
こちらはガチ中華ですが、「慶福楼」。
本厚木は、横浜中華街 のブランドが有効なエリア圏内なのですね。
餃子のみ町中華価格で、他のメニューはだいぶ敷居が高いです。
定食一つで、普段の町中華の定食が2セット頼めてしまいます。
最後に、駅前に建つビル内の「上海菜館」。
ここはホームページまで持つ本格派でしたが、
ランチは麻婆豆腐とチャーハンのセットにコーヒーまでついて750円から食べられるようです。
食後にコーヒーが飲める店といえば、麻布十番のエリート がありますね。
みけらさんが新潟で発見したという町中華の看板が、少しエリートの看板のデザインと似ていたので、
ちょっとだけシンクロニシティを感じました。
それにしても、品香亭、いい店だったー!
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