『宝来@中目黒』MCT(あきやまみみこ)

訪問日:2016年3月4日

私は、中目黒界隈に気付けば20年くらい住んでいる。
ここ最近、町中華探検隊(MCT)に参加するようになってからというもの、
中目黒近辺を気をつけて見ているが、町中華らしいお店はあまり見当たらない。
中華はそこそこあるのだけれど。
上海料理、北京料理、香港料理、台湾料理、シンガポール料理など、専門の中華料理店になってしまう。
MCTの先輩たちが言っている、『チャイナ』というヤツか。
そうでもなければ、餃子専門店。
そしてラーメン店に至っては、激戦区と言えるほど数が多い。
しかし、いわゆる町中華は見当たらないのだ。
本当にないのかな? 思わずweb検索してみたら…むむ、うっすらと見えてきたゾ。この町の歴史が。
中目黒は、かつて東横線の高架下にたくさんのお店が軒を連ねていた。
(このページに昔の高架下の写真が。 →)
美空ひばりも愛したお寿司屋さんだとか、モツ鍋屋さんだとか、居酒屋やバー。
私も昔は高架下の居酒屋によく行ったものだった。
そんな庶民的なお店に混じって、町中華も数軒あったのだ。
しかし2008年、高架下の開発計画が始まりお店は立ち退き…今は工事中となってしまった。
そのまま閉店してしまった町中華店もあるみたいだけど、懸命な捜索の結果、2軒移転先をつきとめたのだ!
中目黒にも町中華があるじゃないか!
その2軒は、今もなお元気に営業中との事。
とあらば、行くしかない。
この話をマグロ隊員にしたら、是非MCTのみんなで行こうと言ってくれた。
そして今回『中目黒MCT』が実現したのだ。

隊員は自分含め5人集まった。
はじめましての女性、momoさんも参加で嬉しい。

駅から降りてすぐの高架下は工事中。8年前まではにぎやかだった。

目黒銀座へ向かう道すがら。
ここは昔『大宝』という町中華があったところ。
今は何やら洒落た店に替わってしまった。
こうして町中華は無くなってゆくんだな…。
そしてこちらが『幸楽』。
高架下から越してきた目的のお店、1軒目だ。
目黒銀座商店街にある。
こちらが 『高伸』。
高架下から越してきた目的のお店、2軒目。
『幸楽』からほど近く。
どちらも町中華らしからぬ、こざっぱりとした外装。
これでは町中華を探しても通り過ぎてしまう訳だ。
味やメニューは変わらないんだろうか。

こちらは蕎麦屋『朝松庵』。
カレーうどんの発祥の店として100年やってるらしい。
蕎麦屋なんだけど、表の食品サンプルを見てたら、ラーメン、カツ丼、定食もあるので、町中華と言えなくもない? 言えないか。
そして、少し離れた場所に『味の宝来』。
おお! 町中華らしいこの店構え! なんだか嬉しくなる。
こちらは古くからこの土地でやっているらしい。

中目黒の町中華事情はこの数軒で底を尽きる。
さて今日入るお店を決めねばならない。
我々の意見は、全員一致でこのお店。だよね。
ゾロゾロと5人中へ入ると、広めの店なのにほぼ満席。結構人気なんだなぁ。知らなかった。
ちょうど小上がりが空いていたので、そこへ通された。

壁にはメニューがズラリ。

トロ隊長:高菜ラーメン
マグロ隊員:ジャージャー麺
竜隊員:モツ煮込み定食

momo隊員:ネギラーメン
餃子はみんなで3人前頼み、昼からビール。
たくさんの餃子とビールというのは、見た目だけでももう幸せなのです。
焼きがしっかりしてて、香ばしくて美味しい。
野菜しか入ってないような餡だったが、それが皮の焼きが引き立って良かった。
餃子調査員(自称)として、私は水餃子定食をオーダー。

焼きとはどう違うかな、と期待したけど、おそらく同じ餃子を茹でたものと思われる。
個人的には、水餃子は厚い皮のツルンッとしたものが好きだ。
しかしこれはこれであっさり戴けてアリだなぁ〜と思う。

水餃子を食べ終わったら、お皿がこんなにカワイイ。形と色合いがキュート。
他にも、赤い暖簾 & 赤い扉 & 赤い自転車が、くすぐられるウットリポイントだった。
さて、中目黒の高架下だが、予定では2016年の今秋には工事が終わり、新たな商店街がオープンするらしい。
そこに元の町中華は戻るのか、はたまた新たな町中華ができるのか。
たぶん新たにできることはないだろう。
やっぱり今のうちに昭和の生きた遺産を堪能しておきたいな、なんて再認識するのだった。

『幸楽』『高伸』にも、近々行こうと思う。

今回の中目黒お店マップです。

ABOUT ME
あきやまみみこ
あきやま・みみこ 京都出身、東京在住。デザインやイラストなど。ぬりえやお墓の本など出版。町中華探検隊オトメ部。アックス(青林工藝舎)で「塗れないぬりえを塗るんだぜ」描いてます。バンド「バナナシスターズ」「親戚」で、しりあがり寿presents(有)さるハゲロックフェスに出てます。