MCT@新宿御苑ー曙橋

新宿御苑にしましょう

と言いだしたのは私、半澤。
新宿だけにラーメン屋、チャイナも多いのだけど町中華も多いから。あと近いから、という邪な思いからの町チョイスだったが、今回は曙橋まで足を延ばすことになった。

まず「寿楽」は一度入った経験がある。なにせ駅前。
ランチでもディナーでもない中途半端な時間でも普通に開いていて、とても助かった。
近隣のサラリーマン御用達といった感じ。
「北京飯店」は外からしか見たことがないのだけど、これは雰囲気たっぷり。
食べログを見ると『カツ味噌ラーメン』なるメニューがあるという。
それはぜひ食べてみたいところ。
この2店舗は既知だったが今回もいろいろな店の存在を知る。
中でも僕がグッときたのはこちら。「蜂宴」だ。
とりわけ暖簾が素敵。白に赤文字。文字のかすれ具合もよい。
あと名前が面白い。
ハチエンというから「八宴」かと思ったらまさかの『蜂』。
調べてみたところ
蜂蜜、蜜蝋と古来より生活に役立つアイテムを作ってくれる蜂は
富や幸運を招く生き物、とされてきたようだ。
なのでこの店名も中華店によくある縁起モノ系なのかもしれない。
ここはカウンターなので今回はスルー。自由研究として近く挑戦したい。
一度「餃子の星」入店が決まりかけたが
半澤が一度前を通りすぎた店があるということで
あけぼのばし通りの方へ。がこれが改めて見るとチェーン店。
誰の心にも引っかからず。
みなさん、歩かせてすいません!
というわけで、我々は以前、トロ隊長、マグロ隊員が訪れたという
「三十番」と「一番」が並ぶ地にたどり着く、が、
「三十番」は閉店。看板、暖簾もなく遺跡化していた。
横からみると三角形ですごく薄い。
マグロ隊員のレポート内にもある
過去動画をみると昔ながらのカウンター。その薄さの意味が実感できます。
閉店前の動画があるとかえって切なくなる。
もはや選択の余地なしと「曙 一番」に。

竜隊員の焼肉定食。

トロ隊長の中華丼。

マグロ隊員と半澤は肉野菜炒め定食。

面白いのは、定食に海苔がつくところ。海苔をphにおさめるトロ隊長。

こういった小物が町中華の定食にはうれしい。
海苔があるだけで朝ごはんのようだ。
店内の掲示をみると納豆単品もある。ラーメン付朝定食も可能というわけ。
この店は半チャーハン付のラーメン定食が看板なのだからそっちにトライするという案も当然あった。が、「半チャンの半澤」を名乗っておきながら、最近は自粛傾向にある。
以前はその店の度量をはかる上でこの二品こそ重要ではないかと率先して注文していた半チャンだが、町中華の魅力はそこだけじゃないことにも気付いてきた。もちろん、ラーメン+チャーハンは最強コンビではあるものの、町中華を巡ればめぐるほどに、他のメニューが気になってくる。オムライス、カレー、カツ丼、いわゆる三種の神器にくわえ豊富な定食メニュー、気になる一品メニュー。むしろこちらにこそ店の特徴が現れることが多いのではなかろうか。今回の海苔のように、独自性や珍しさを体感するのもまた町中華の醍醐味だ。「定食の竜」こと竜隊員は来年、酢豚探偵になると宣言している。より専門性を高める模様。ならば、「定食の」という名、世襲できないかな、と目論んだりもするのである。

文/半澤則吉

ABOUT ME
半澤則吉
半澤則吉(はんざわ・のりよし) 1983年、福島県二本松市生まれ。学習院大学卒業後、印刷会社勤務を経てフリーライターに。人・食・物・旅についてあらゆる媒体で執筆する。朝ドラを中心にドラマ記事を書く朝ドラ批評家、ドラマライターでもある。