麗しのカツ丼@高円寺「味楽」

高円寺は町中華探検隊結成のきっかけとなった北口の「中華大陸」があった町である。
南口には名店「七面鳥」があり、取材もさせてもらった。
しかし、我々は大事な店を忘れていた。
それが南口ガード沿いにある「味楽」。
いや、忘れていたわけではない。そのうち行こう、いつでも行けるさと思っていたのだ。
そういうのって行かないもので、
油断してたら、ふいに姿を消すこともある。
そこで2016年12月、下関マグロと訪れた。
清潔な暖簾の下、値段とメニューがチラリと見える。
ラーメン400円。カレーライス400円。
カツ丼さえ500円。
泣けるほどの安さだ。
この値段設定は往時の「大陸」を思わせる。
そこでぼくは同店名物だったかつ丼を頼むことにした。
どーん!
強烈な佇まいで登場。
真っ黄色のタクアンが「大陸」そっくり。
ご飯ズッシリ、分厚い衣の頼もしさ。
客は全員、男である。男飯である。
マグロはタンメンだったけど、
これまた大盛りで食べきれなかったほど。
「味楽」、高円寺の雄と呼びたいね。
ABOUT ME
北尾トロ
北尾トロ(きたお・とろ) 1958年、福岡県生まれ。法政大学卒業。裁判傍聴、古書店、狩猟など、体験をベースに執筆するライター。『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』『猟師になりたい!』シリーズなど著書多数。長野県松本市在住。